奏作空間

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2015.02.13 Friday
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    『電脳コイル 春』サイドストーリー 第5話

    2010.09.24 Friday 23:15
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       ー前回のあらすじー
       お弁当の秘密が明かされ、フミエとガチャギリの恋人疑惑に終止符が打たれる。


      ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

       大黒市立大黒中学校 第5話 「クラブを見に行こう」

       お弁当騒動が落着したその日から、1年生のクラブ活動体験期間が始まった。
       メンバー達はほぼ意中のクラブを絞っていて、初日の今日はそこを見学に行くと決めていた。フミエだけはまだ決めていないものの、ハラケンはロボット研究部、アイコはテニス部、ダイチはサッカー部、ガチャギリはゲームクリエイトクラブ、ナメッチは調理研究部、そしてデンパが美術部の見学に行くらしかった。
       ヤサコは前日から決めていた通り、まずは吹奏楽部を見学することにした。同じく吹奏楽部を志望するクラスメートの女子とともに、ヤサコは活動場所である音楽室のドアをくぐる。
      「見学の人ね。好きな席に座って」
       顧問は音楽の先生なので、ヤサコも授業でお目にかかったことはあった。横長の音楽室の前半分では先輩達がそれぞれの楽器を持って舞台上のように並び、音だしを始めている。後半分に並べられたイスは観客席だ。ヤサコ達はその中から適当な場所に腰掛けた。
       普段吹奏楽部の部員はグランドに平行する通路に立ち、個人練習でぶんがぶんがと音だしをしている。ヤサコはそんな光景をよく見ていたが、このようにまとまって練習しているのを見るのは初めてであり、そこからどんな演奏が出来上がるのか楽しみであった。
       そこから10分ほどの待ち時間があってドアは締められた。集まった1年生は15人ほどだ。男子はその中で2人。どれだけ入部するのかはわからないが、数あるクラブの中で学年の1割り以上が集まるということは、やはり人気クラブなのだろうとヤサコは思う。
      「はい。1年生のみなさんこんにちは」
       教師陣の中では比較的若い女性音楽教師は、声高らかに挨拶をした。集まった1年生も遠慮がちに「こんにちは」と返し、軽く頭を下げる。
      「今日はたくさんあるクラブの中から、我が吹奏楽部の体験入部に来ていただいてありがとうございます。音楽の授業でも紹介しましたが、私は顧問の緑川です。では部長である初瀬くんからも挨拶をいただきましょう」
       緑川が振ると、列の1番手前のトロンボーンを持った青年が1歩前に出て来た。
      「ご紹介にあずかりました。部長の初瀬です。今日は予想外にこんなにも多くの1年生諸君に集まっていただいて、僕も緊張しています」
       青年は部長らしからぬというか、背は意外と低く頼りがいのあるという風格はなかった。どっちかというとかわいい系の男子だ。
      「なんでこんな僕が部長なんかしているんだろうと思われた方もいるでしょう。僕もそう思うのですが、3年生の男子は僕しかいなくて、先生やこの周りの怖いお姉さん達にムリヤリ押し付けられて仕方なくやっています。このクラブは基本的に女尊男卑なので、男子のみなさんは覚悟して入部してください」
      「部長、余計なことを言わないの」
       後ろの列の女子からツッコミがとぶ。なるほどヤサコも部長の言葉がわかるような気がした。
      「すみません。今日はみなさんに吹奏楽部がどんなクラブなのかを紹介したいと思います。というところでウチがどんなクラブかを知るには、やはり演奏を聴いていただくのが1番だと思いますので、これから何曲か続けて演奏します。その後は、パートごとに分かれての質問コーナーの時間をとっています。自分の希望する楽器について質問がある方は、遠慮なく先輩に訊いてください。どの楽器にするか迷っているという方は、あそこで控えている先生に訊いてください。それでは、演奏を始めます」
       そうして部長が一礼すると、1年生からささやかな拍手が送られた。そして脇の方から指揮者である女子が出て来て礼をし、バンドの方に向き直ると高く両手を上げて演奏の開始を合図する。
       メドレー形式で披露されたのは誰もが知っているような吹奏楽の定番曲から、ゲームミュージック、アニソン、1年前のヒットソングなどの最新ナンバーまで多彩だった。ヤサコは素人なりにもこのバンドのレベルが決して高いとは感じなかったが、それぞれの部員が楽しそうに演奏しているのが印象的だった。
       すべての曲が終わると今度は1年生から喝采が起こる。再び部長の初瀬が出て来て一礼した。
      「ありがとうございました。吹奏楽部の雰囲気は何となく伝わりましたでしょうか。それでは今から、自分の気に入った楽器、気になった楽器について、ここにいる先輩方にどんどん質問をしてもらって結構ですが、その前に先生から吹奏楽に使われる楽器の説明を簡単にしていただきたいと思います」
       すると顧問の緑川が様々な種類の楽器を机の上に並べて説明を始めた。
      「はい。吹奏楽に使われる楽器は、大きく3つに分かれます。まずはこれ。ピッコロやフルート、クラリネット、サックス、サキソホンとも言いますが、これらをまとめて木管楽器といいます。このフルートやサックスは金属製なのになんで木管楽器なのか気になる人もいますね。それは入部していただいた後や、音楽の授業でもおいおい説明していきます」
       ヤサコはこうした楽器の知識も薄弱なまま来てしまったので、こうした説明はありがたかったし、勉強にもなって大きくうなずいていた。
      「次はこれ。おなじみのトランペットやトロンボーン、このかたつむりみたいなのがホルンで、あの非常に大きいのがユーフォニウムとチューバです。これらをまとめて金管楽器といいます」
       ユーフォニウムとチューバの2つはそれぞれの楽器を担当している先輩を指して緑川は説明した。
      「そして最後が打楽器です。これは非常に種類が多いので全部は紹介しませんが、大太鼓や小太鼓、それから鉄琴や木琴もこれに入ります。我が部では基本的に太鼓はドラムを使用しています。説明はこれくらいで、後はそれぞれのパートリーダーさんのところに行って、その楽器の詳細を聞いてみてください。何にしようか迷っている方は、私の方に相談に来てくれても構いません。もちろん、色んな楽器をまわるのもオッケーです。それでは質問タイム開始です」
       1年生達は席を立って思い思いの楽器の先輩のところにばらけ始めた。中には先輩とも知り合いの生徒もいて、和気あいあいとした空気になっている。ヤサコはとりあえず先生に相談することにした。
      「すみません。1の4の小此木です。吹奏楽に少し興味があって来たんですけど、あまり音楽の知識がないもので、どの楽器にしようか迷ってて」
      「オッケー、小此木さんね。それならまず、ビジュアル的に見てどの楽器を演奏していたら自分が1番映えると思った?言い換えれば、どの楽器が自分に似合ってると思う?」
       そんな簡単なことでいいのかと思いつつ、でもそれは結構難しい質問だった。人にその楽器のイメージを押し付けられるならともかく、自分でそれを考えるのは少し恥ずかしいような気がする。とりあえずヤサコは、見ていてかわいいなと思った楽器をあげることにした。
      「そうですね。フルートやピッコロでしょうか」
      「なるほど、要は横笛ってことね。まあ、確かに女子の中では人気のある楽器よ。それなら今日はその辺りの楽器について先輩から聞いてみるといいわ。ちなみに大きい楽器には興味はない?小此木さん、女子の中では割と上背のある方だから合うかもしれないわよ」
       先生がそっちに誘導しているように聞こえなくもなかったが、ヤサコはまんざらでもなかった。
      「そうですか?実は母もずっとトロンボーンを吹いていたみたいで、そちらにも興味はあります」
      「あら、そうなの。それならトロンボーンパートも行ってみるといいわ。パートリーダーはおもしろ部長の初瀬くんだしね」
      「わかりました。ありがとうございます」
       ヤサコは先生に頭を下げて、とりあえずフルートパートへ行くことにした。そこからこの日は横笛パートの話を一通り聞き、その後にトロンボーンパートの話を聞いた。
       雰囲気も良く、先輩も優しくて初心者でも楽しめそうなので、ヤサコの気持ちはぐっと吹奏楽部に傾いていた。

       一方その頃ハラケンは、ガチャギリとの打ち合わせ通りにロボット研究部の活動を見学に行こうとしていた。ハラケンとしては何らかの研究部に入りたいと思っていたが自分が特に興味のある民俗学を研究している部がなかったので、どのクラブにするかはかなり悩んでいた。そんな折ガチャギリからロボット研究部の前身が生物研究部であったことを聞かされ、小学校時代から引き続きその方面の研究をしようかなと足を運んだのだ。ロボット研究部、通称ロボ研の活動場所は生物系の実験が行われる第2理科室だ。その辺はまだ生物部であった頃の名残が残っている。
      「すみません。ロボット研究部の見学に来たんですけど」
       ハラケンがドアを開くと中には7、8人ほどの部員がいた。何やらロボットの完成品の調整をしているような様子だった。
      「おう、原川。久しぶりだな」
      「あれ?先輩。先輩もロボ研なんですか?」
       そんなハラケンに声をかけてきたのは、第三小学校時代の生物部で部長をつとめていた先輩だった。引退の際に当時新興クラブだったダイチ達『黒客』と一戦交えた人だ。
      「ああ。やっぱり原川も引き続き生物系の研究がしたくてここに?」
      「ええ、まあ。このクラブの前身が生物部だったことを聞きましたので」
       ハラケンが答えると、ロボ研の別の先輩が歩み寄って来た。
      「三木、その1年生は知り合いか?」
       ハラケンの先輩の名前は三木という。ハラケンもダイチの前の部長としてしか覚えていなかったので、その名前は今になって思い出した。
      「はい。小学校時代の生物部の後輩です。確かあの後ダイチ達が暴走したおかげで、部長の座はお前が引き継いだんだよな?」
       三木もその辺のいざこざは耳にしていたらしい。ハラケンも「はい」とうなずいた。
      「そうかそれは貴重な戦力だな。オレはこのクラブの部長を務める藤尾だ。是非とも我がクラブへの正式入部を前向きに検討してもらいたい。今日は自由に見学していってくれ。ならせっかくだ、三木。今日はお前が彼を案内してやれ」
      「わかりました」
       ロボ研の部長はフレームの小さいメガネをかけたいかにも頭のきれそうな男子だった。そんな部長の方はまた部員達の輪の中に戻り、三木とハラケンは理科室の真ん中辺りの席に座ってその様子を見ながら話をすることにした。
      「1年生の見学は僕だけなんですか?」
      「今のところはな。でもまだ時間も早いし、他のところを見終わった生徒が来るかもしれない。とりあえず体験期間の1番初めの時間にやって来たってことは、原川にとってはここが本命ってことか?」
      「一応そうですね。まあ僕もガチャギリ、生物部にいた深川のアドバイスでここに来たんですけど」
       三木は覚えてるかなと思いつつハラケンは説明した。
      「ああ、アイツか。ダイチも深川もここには興味を示さなかったのか?」
      「まあ、そうですね。ダイチはサッカー部、深川はゲームクリエイトクラブって言ってましたけど」
      「ふ〜ん。ダイチはわからなくもないが、深川がゲームクリエイトクラブね。よりにもよってアイツが、大中屈指のディープクラブにね」
       どんな含みを持った言葉なんだろうとハラケンは思った。
      「それはどういう?」
      「いやあ、この中学で1番危険なクラブってことだよ。学校のクラブ活動としては、かなりきわどいことをしてるらしいからな。まあ、その分監視は厳しいがな」
      「ロボ研とゲームクリエイトクラブは近しい関係にあると聞きましたけど」
       それもガチャギリ情報だ。
      「ああ、先方には世話にはなってる。もちろん悪いヤツらじゃないし、こっちへの協力には労力を惜しまないからかなり助かってる。危険クラブっていうのはつまり、学校基準で見ればすれすれの活動をしてるってことだよ。そんなの、メガネを使う小学生の方がよっぽど違法行為に手を染めてる。例えばだな、メタバグが発掘された頃はゲームクリエイトが違法ツールを作っていたって話を聞いたこともある。言ってもその程度さ」
       その程度と切り捨てるにはかなりの問題行為ではないかとハラケンは思った。それで利益をあげていたというのならなおさらだし、それで電脳戦争でもしていたというのなら中学生としてはしゃぎ過ぎだ。
      「そうなんですか。それは置いといて話をロボ研に戻しましょう。部員はどのくらいいるんですか?」
      「2,3年生合わせて全部で9人かな。今日は1人しか休んでないな。少人数のわりには出席率のいいクラブだと思うぞ。みんな作業に没頭すると止まらなくなるタイプなんだ。お前には合うと思う」
       それを聞いてわりと真剣なクラブなんだなとハラケンは感じた。今も前の方ではロボットの調整に関して議論が展開されている。
      「いいですね。顧問の先生は今日は来てないんですか?」
      「ああ、会議があるらしい。理科の先生なんだけどな、昔っからこういうロボット制作に興味があったらしいんだ。大学でもロボット関係のサークルに入ってたらしいし、技術はプロ級なんだ」
      「だからこんな真剣な人しか集まらないんですね。でも環境としては最高ですね。そう言えば、ロボットを作る材料とかはどうしてるんですか?特に電子部品などは部の予算でそんなに手に入らないと思うんですが」
      「それに関してはコネがある。この近くのメガマス関連工場から廃棄される部品をタダで譲ってもらってるんだよ。その他の部品もほとんど貰い物なんだ」
       それはモノづくりの理想だなとハラケンは思う。がらくただけで周りを驚かせるような高い技術のモノを作るのはロマンを感じる。
      「そうなんですか。その現物を見せてもらってもいいですか?」
      「ああ、ちょっと待ってろよ」
       三木は席を立って理科準備室に入って行った。しばらくして戻って来ると大事そうにその手には柴犬のぬいぐるみのようなものが抱えられていた。
      「ほら。これがこの部で最高傑作と言われているロボットだ。作られたのは2年前らしい。扱いは慎重にな」
       三木はそのロボットをハラケンの目の前に置いた。しげしげと眺めながらハラケンはそれに手を触れる。
      「これはどうやって作ったんですか?こんなぬいぐるみのように仕上げもこのクラブの手作りなんですか?」
      「いやあ、それはあんまり出来がいいもんだったから先生が知り合いに頼んでやってもらったらしい。ロボットって見た目に無機質なイメージがあるだろ。それじゃ愛着が湧かないからって、コイツだけは本物に似せてあるんだ。普段作ってるのはプラスチックの塊みたいなやつだけどな」
       なるほどなと思いながらハラケンは質感を確かめた。思ったより柔らかく、まるで本物を触っているようだった。
      「気付いたか?こいつには人工筋肉が使われていて、脂肪代わりのクッションもついてるんだ。これは生物の筋肉の動きを理解する上での勉強も兼ねていたって話なんだが」
      「人工筋肉ですか?それって義手とかに使われているものですよね。高級品じゃないですか」
      「これも先生のコネでどこかの工場から安く譲ってもらったらしい。ま、それはともかく、コイツは質感だけでなく動きも本物そっくりだってことだ。ちょっとそいつを床に置いてみな」
       ハラケンは言われるがままにそのロボットを床に置く。その間に三木はメガネをつけかえた。それは部共用のメガネらしい。そこにこのロボットの起動端末が入っているのだ。
      「わん!」
       ハラケンが待っているといきなりそのロボットが吠えた。
      「ちょっと口の動きと音声の出方にズレがあるだろ。それが数少ない欠点なんだ。でもそれ以外はマジで本物そっくりだぞ。ホラこれ」
       三木に渡されたのはゴムボールだった。つまりそれを投げてこの犬に取りに行かせろということらしい。
      「投げていいんですか?ちなみにこの子の名前は?」
      「パトラッシュだ」
       柴犬にその名前かと思いつつ、かまわずハラケンはその名前を呼ぶ。ペットにかまっている時のハラケンは、人と向かい合っているときより愛想が良い。
      「よし、いくよパトラッシュ」
       そうしてボールを教室の端の方に投げた。パトラッシュは嬉しそうにそれを拾いにいく。その走り方などの動きは三木の言っていた通りにまるで本物だった。これが中学校の部活で作ったものとは思えない。
      「すごいですね、本当に。商品化されていてもおかしくないですよ。目の動きと先ほどの音声との問題がなければ、誰でも生犬と見間違うと思います」
       ハラケンは戻って来たパトラッシュの頭を撫でながら言った。
      「そうだろ。これぐらいのものを中学生が作れるんだ。本当に商品化したら電脳ペットよりも、こっちの方が人気が出ると思わないか?」
       それは三木が本気で思っているわけではなく、あくまでハラケンの見解を確かめようとする響きがあった。
      「そうですね......でも電脳ペットに取って代わるものにはならないでしょうね」
      「どうしてそう思う?コイツには人工筋肉を動かすために血が流れてるんだぜ。質感は本物に近いし、抱いてみたら温かい。でも必要なのは酸素と少量の水だけで排泄はしない。組み込まれているAIも電脳ペットとも変わりない」
       三木がこのロボットの特徴を押し並べてもハラケンはうなずけなかった。
      「すごいものだとはわかります。しかし電脳ペットは凌げないと思います。それには値段の問題がありますが、根本的な問題があると思うんです。この子はバッテリーが組み込まれているんですよね?」
      「ああ。その通りだ」
      「つまり、バッテリーさえ充電すれば故障しないかぎり半永久的に生きられるんですよね。それが生き物としての愛着を持てない理由なのかもしれません。これはあくまで僕の主観ですが」
      「生き物には死が必要だということか。それならバッテリーにも寿命をつければどうだ?そのロボットにはそのバッテリーしかはまらないような、人の心臓のような機構をもたせれば」
      「それでも根本的な解決になっていないと思います。僕が怖いのはバッテリーが切れた瞬間、その子が”モノ”に見えやしないかということです。充電すればまた元気に動き出すんでしょうけど、それが冷める瞬間になると思います。バッテリー切れする前に充電するというのも、それはそれでイヤな光景です。それではこの子が機械だという意識が一生付きまといます」
      「確かにその通りだ」
       相づちが三木のものでないと思ったハラケンが顔を上げると、そこには部長の藤尾が立っていた。
      「言い得てるよ。このご時世、ロボットが愛玩用に流行らない理由を」
      「す、すみません。先輩方が一生懸命研究しているものを、否定するようなことを言ってしまって」
       ハラケンはかなりあたふたしながら謝った。研究者が一番傷つくのは、その研究には価値がないときっぱりと言われてしまうことだ。それは研究の不出来をダメだしされるよりも堪える。
      「ハハハ。いいんだ。オレたちもだいたい同じことを思っているから」
      「え?」
       ハラケンは拍子抜けする。
      「オレたちみたいにメガネに馴染んだ人間はみんなそう思う。バッテリーが切れたら動かなくなるロボットより、メガネをかけている限りそばで尻尾を振ってくれる電脳ペットの方がずっと愛着を持てるってな。だがそもそもオレたちは非営利組織だ。ロボットを愛玩用に売りに出そうとは思ってない。要は作る過程を楽しんでるんだ。そのものが一般受けしなくても楽しみながら作ることは、それがたとえ自己満足でも有意義な時間だと思わないか?」
       それは真だとハラケンも思う。学校の文科系クラブとはほとんどそういう活動をするコミュニティだ。
      「問題は原川君がロボット作りを楽しめるかどうかということだ」
      「いえ、作ることには大いに興味があります。紹介されたパトラッシュも人工筋肉を使っているそうで感動しました」
      「そうか。入部を前向きに検討してくれるんだな」
      「もちろんです」
       ハラケンはこの部とは波長が合うだろうと思った。先輩達の醸し出す空気も、まじめに研究したいという意欲に溢れているように感じる。
      「良かった。これで有望新人を1人確保できた。今年の文化祭に出品する予定のネコ型ロボットの制作に大いに貢献してほしい」
      「今度はネコ型なんですか」
      「ちなみに信楽焼のタヌキほどのサイズがあるぞ」
       三木がそこに口を挟んできた。
      「え?ということはもしかしてアイツですか?」
       ハラケンがおそるおそる訊ねると、部長の藤尾は胸を張って答えた。
      「勘がいいな。そうだ。今年のロボ研の目玉は、ドラえ○んだ」

       学級委員を務めるフミエはこの日も会議に出席していた。比較的早く終わったものの、今からクラブ活動の見学に行くには出遅れた感じがする。しかし時間をムダにしたくはないのでどこかしらをのぞいてみようと思っていた。しかし問題はどのクラブに入るかまったく絞っていないことだ。
      「ねえミズキ。どこかオススメのクラブとかない?」
       フミエは同じく会議に出席していたミズキという4組の女子の学級委員に訊ねてみた。カンナのように物静かな雰囲気の女子だ。
      「橋本さん、どのクラブにしようか決めてないんですか?それならどんなクラブがいいとかありますか?」
      「そうね、こうやって学級委員になったし、将来的には生徒会にも入ろうと思ってるから、クラブに参加できる時間も制限されるかなって。だから割り合い軽いクラブに入ろうと思ってるの」
       女子の中では運動神経のある方だと自負しているので、最初はフミエも運動部にしようかと考えていた。しかし今後生徒会活動に参加することを考えると、ここは文化部に入っておくのが無難かなと思った。そんなに負担にならない運動部があるならそれでもいいが、裏を返せばそれは不真面目ということになるとフミエは考えている。だからそんな中途半端はしないつもりだった。
      「それなら私と同じクラブにしませんか?」
       フミエはミズキの目が少し輝いたような気がした。
      「なんてクラブ?」
      「文芸部です」
       言われてフミエは目を丸くした。思ってもみない部が出てきたからだが、何よりフミエはその部の存在を知らなかった。
      「文芸部って、何するの?」
      「えーとですね。基本は小説や漫画を書いたりと創作活動が中心です。でもウチの学校には漫画研究部もありますので書くのはほとんど小説やエッセーなのだそうです。ただ反対にウチに新聞部はないので、校内でニュースになりそうなことが起こった場合には新聞を書くこともあるそうです」
       それはあまり自分向きではないのではないかとフミエは一瞬思うが、自分から話を振っといて却下するのは忍びないのでやんわりと断る方向に持っていこうと思った。
      「そうなんだ。でも私、文章なんてまともに書いたことはないわよ。国語の成績だって自分の中ではマシな方だけど、できる人と比べれば全然」
       しかしミズキの方はそれを気にしなかった。
      「それはみんなそうですよ。そこは手取り足取り先輩が教えてくれます。実は文芸部の部長さんは私の小学校の先輩で知り合いなんです。とても優しい方ですし、1度だけのぞいて見ませんか?」
       その先輩によほど憧れているのか、ミズキはもう文芸部に入るつもりでいる。ここまで言われて断るのも気まずいので、フミエは行くだけ行ってみようかと思った。どうせどのクラブを見に行くかも決めていなかったのだ。
      「わかった。それなら案内して」
       その時のミズキの晴れやかな表情はなんともプレッシャーになったが、フミエは見て合いそうにもない場合にははっきりと断ろうと自分に言い聞かせていた。
       連れて来られたのは第3会議室なる校舎の隅の方にある寂れた1室だった。広さも教室の半分ほどしかなさそうだ。本当に活動しているのかと不安になっているところで、ミズキがその引き戸を開けた。
      「来ましたよ、先輩。見学したいって人も連れてきました」
       中には大きめの長机が2つ並んでいて、部員らしい人はそれを贅沢に4人で使っていた。それに気付いた先輩の女子が2人に歩み寄って来る。
      「ああ、いらっしゃい。入部希望者を連れて来るなんてでかしたぞミズキ」
       その先輩女子は下ぶちメガネがよく似合う知的な人だった。親密そうにミズキの頭を撫でている。それよりもまだ入部希望者ではないことを訂正しておいた方がいいかとフミエは思った。
      「はい。私と同じ学級委員を務めている橋本さんです」
       ミズキがフミエを手で示しながら紹介したので、ともかくフミエは頭を下げた。
      「なるほど学級委員か。それならちょうどいいな」
       勝手に話は進んでいるようだが、その先輩はフミエの腹もだいたいわかっているかのような口ぶりだ。
      「橋本さん。この方は文芸部の部長、入江さんです」
      「今日はよろしくお願いします」
       フミエはあくまで「今日は」と強調したつもりだった。しかし入江はそれに気付かなかったのか、あえて流したのか、次にこう言った。
      「いやあ、新入部員が2人も入ってくれそうで助かったよ。誰も入部しない場合、最悪廃部もあり得たからな」
      「廃部ってどういうことですか?」
       フミエは思わず訊ねていた。自分たちが入らなければ廃部とはそれまた聞き捨てならない話だ。
      「単純に部員がいないんだ。今の正規の部員は3年生が5人だけ。だから私たちが引退した時点で文芸部に部員はいなくなる」
      「そ、そんなに寂れてるんですか?」
       失礼な言い方になってフミエはしまったと思ったが、入江は気にする風でもなく言った。
      「寂れている、というのは違うな。実際活動に参加してくれている人はわりと多い」
       話が見えないというのがフミエの表情にありありと出たらしく、入江はふっと微笑んで続けた。
      「正規の部員が5人だけという話なんだ。この学校は部の掛け持ちは許可されていないのは知っているな?ところがこの文芸部のイベントらしいイベントは、文化祭に向けて文集を作ることだけ。だから普段どうしようもなくヒマなんだ。こんなクラブに入部届けを出すということは、帰宅部に入部届けを出すに等しい」
       自分で言っちゃったよとフミエは思った。そしてこの人はその”帰宅部”に自分を入れようとしているのだ。
      「だから去年、私たちは新入部員の勧誘の仕方を考えた。とりあえず籍はよそのクラブに置いてもらって、ヒマな時にウチの活動に参加してくれればいいっていう具合に。そう言うとわりと多くの人が来てくれた。去年の文集なんかはかなり分厚いものが仕上がったんだ。代わりに正規部員を1人も確保できないという悲劇が起こった。2年生の非正規部員を含めると全部で14人になるかな」
      「ちょっと待ってください。正規の部員じゃなくても文集に作品を載せられるんですか?」
       まっとうな疑問を入江にぶつけると、ミズキの方が笑顔で言った。
      「橋本さん。入江先輩は生徒会の書記長を務めているんです」
       こんな時に関係のないことをとフミエは思ったが、確かに全校集会でこの入江を見たことがあった。
      「生徒会は文化祭の実行委員会も兼ねている。そしてその仕事の中には、各クラブからあがってきた作品を学校の規律や公序良俗に違反していないかチェックするというものがある」
       そこでフミエもそのカラクリがわかった。
      「つまり、生徒会として文芸部の違反をもみ消しているってことですね。だから部員以外の作品が文集に載っていても問題にならない」
      「そうだ。一部の先生は気付いているが、大した問題じゃないから流してくれている」
       それならなおさらこの部に正式入部する理由はないのではないかとフミエは思った。
      「そんな具合に、この部は生徒会の人間が取り仕切るという伝統がある。基本ヒマなクラブだから生徒会活動に支障はきたさないし、部の誰も文句は言わない。さらに新聞部も兼ねているから生徒会新聞を作るときも便利だ。ミズキは近い将来生徒会に入りたいと言うから入部を薦めたんだが」
      「先輩。この橋本さんも生徒会に入るつもりだそうですよ」
      「何?そうなのか?」
       それは事実なのでフミエは「はい」とうなずいた。
      「それならちょうどいいじゃないか。入ってくれれば、生徒会のノウハウなんかも教えることができるぞ」
       確かに生徒会に入ろうとしている自分にとってはいい環境なのかなとフミエは思い始めていた。この先輩の生徒会の話はおもしろそうでもある。
      「ああ、言い忘れていた。ウチのクラブにはヒマ人が集まるせいか、しょっちゅうよそのクラブからの助っ人の要請が舞い込んで来る」
      「助っ人?それってどういう?」
      「色々だ。運動部で練習試合の人数が足りないから来てくれとか、調理研究部の試食に来てくれとか、邦楽部の演奏会にサクラとして来てくれとか、時には生徒会の雑用も。とにかくここにいるだけで毎日色の違った活動が楽しめるということだ。それはおいしいと思わないか?それに本当にヒマな時は、ここの棚に収まっている本を自由に読んでいればいい。もちろん自分で物語を書くのもオッケーだ」
       入江の示した棚には小説や雑誌、漫画にいたるまで無数の本が並べられていた。図書室でもこういった娯楽本は揃っていない。と言うよりも、電子書籍が当たり前になったこのご時世でこれほどの本を揃えた場所はあまりお目にかかれない。これは文芸部の伝統を感じさせるところだった。
      「色々な活動を楽しめるというのはいいですね」
       そこはフミエも素直に惹かれた。先ほどから案外楽しそうなクラブだなと気が変わり始めている。
      「そしてもう1つ重要な仕事が文芸部にはある」
       入江は心なしか声を細めた。まるでここからの話が文芸部の活動の本質であるかのような、そんな気さえした。
      「今言ったように文芸部の部員達はよそに助っ人に出かけることが多い。そしてそれはその部の内情を掴めるということになる。もしも、ある部の中で問題行為が起きていたとすればそれは文芸部部長の私に報告され、私はそれを生徒会で取り上げる。問題の大きさ如何ではその部の関係者を問いただし、生徒会として何らかの改善要求を出すこともある。ひどい時は教師との協議の結果、休部という措置を取らせることもできる」
       いきなりなんつー話だとフミエは思った。黒すぎる。入江の知的な雰囲気は、魔性のオーラへと変わったような気がした。
      「つまり、文芸部は大黒中学校全クラブを見張る監査機関ということですか?そのことは全校生徒は知っているんですか?」
      「無論そのことは知られていない。それならウチに助っ人を借りに来る部はないだろう。こっちだってそれが明るみに出ないようにやっている。生徒会で取り上げるのは、問題が起こったことを認知してから少し時間を置いてからだからな。でないとウチの部員が助っ人として情報を持ち帰ったことが悟られてしまう」
       まるで学校を舞台にしたスパイ活動だ。
      「どうしてそんな重要な話を私にするんですか?」
      「君が生徒会志望だと言うからだ。生徒会はそのことをもちろん関知している。いずれ知ることになる話だ。それに、我が文芸部に来てくれた縁もあるからな。考えてもみろ。これまで我が校のクラブを裏で統制してきた文芸部が廃部になってなくなってしまえば、どんな無法地帯ができあがるのかを。よそならまだしも、ここは混沌の街、大黒だ」
       そんな大げさな話なのかとフミエは思う。しかし入江の目は本気だ。
      「実際、今その文芸部の秘密を悟られかけているかもしれないんだ。それもとびきり大黒という街に根付いた悪習を体現したかのようなクラブに」
      「どこのクラブですか?」
      「ゲームクリエイトクラブだ」
       苦い顔をして入江が言う。それをフミエはどこかで聞いたような気がした。どこで聞いたのか記憶を辿っていると思い当たった。ガチャギリがそんなクラブに入るとか入らないとかをクラスで言っていたのを聞いたことがあったのだ。
      「連中は我が校でも危険度はずば抜けている。実際ネット犯罪ぐらいなら平気で手を出しているだろう。ささいなことでも放っておけない私としては、看過できない問題だ」
      「それならそれを生徒会で取り上げれば」
      「連中がボロを出さないんだ。実際、連中から文芸部に助っ人の依頼が来ない。それはおそらく向こうも私たちの正体を掴んでいるのではないかと思うんだ」
      「それは考え過ぎじゃ。電脳の知識があるかどうかもわからない人を助っ人に呼んでも仕方ないと思っているんじゃないですか?」
      「そう思う理由はそれだけじゃないが、ここで話しても仕方のないことだ。とりあえず文芸部の目下の敵はヤツらだ」
       もうほとんど自分は正規部員のような扱いになっているよなとフミエは思う。
      「あの、先輩?そこまでの話を聞いて仮に入部を断ることってできるんですか?」
       おそるおそる訊ねてみた。
      「それはもちろん君の意志次第だ。ただし、今の話を持ち逃げする勇気が君にあればの話だがな」
       フミエには入江の顔に影が差したように見えた。彼女は逃がさないつもりだ。
      「持ち逃げしたらどうなるんですか?」
      「そうだな。とりあえず君の学校生活に色々な制約がつくことになるだろうな。まずは君が何もしゃべらないように、常に監視がつく」
       平然と入江は続ける。
      「そして文芸部の戻らない限り君の生徒会役員当選の可能性はなくなる。選管にひと言釘をさせば、当選結果は変えられるからな」
      「そんな......」
       フミエは絶句した。得意の反抗もこの人相手には通用しないような気がした。
      「ハハハ、冗談だ。そんなことするわけないだろう。別にクラブ活動なんて個人の自由なんだ。そこまで干渉する気はない」
       フミエにはそれがウソのように聞こえた。本当にこの人ならそのくらいやりかねないと思った。
      「それに、本気で部員が欲しいというのは事実だ。だからこうして半ば脅迫のようなことをしてでも君みたいな人材には入って来てほしいと思ったんだ。でも少し行き過ぎたな。それについては謝る」
       今度は謝り作戦かと思ったが、その真摯な態度にはフミエも心を揺さぶられる。
      「橋本さん。私からもお願いです。これほどの重要な仕事を背負ったクラブを、私だけで取り仕切るのはムリだと思います。橋本さんのようなしっかりとした人がいてくれれば、私も安心して文芸部に入れます」
       今度はミズキが丁寧に頭を下げた。まだそんなにお互いのことを知った関係でもないが、そこまでされるとフミエとしてはこの気持ちを汲み取ったやりたくなる。
       そしてフミエは心を決めた。
      「わかりました。文芸部への入部を前向きに検討します」
      「ありがとう。助かる」
       入江が1番初めの微笑みに戻って握手を求めてきた。フミエもその手をとって言う。
      「生徒会活動について色々教えてくださいね」
      「ああ、それはもちろんだ」
       これで良かったのだとフミエは思う。しかしその横でミズキが会心の笑顔を入江に送ったのをフミエは見た。ハメられたと思った時には遅かった。

       これが文芸部員フミエの波乱の学園生活の始まりだった。

      ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

       今週は以上です。さすがに全員の入部の経緯を追うのは大変なので、この3人でお許しいただきたいところです。なぜか文芸部の話が広がり過ぎて、フミエが主役みたいになってしまいましたね。せっかく思いついた設定なので、文芸部員フミエのお話は今後も展開するかもしれません。続編の要望があれば言ってください。

       さて、来週にて『春』本編の第2部も、このサイドストーリーも最終回となります。お楽しみに。




       



       

       


       
       
       



      『電脳コイル』ショートストーリー | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |

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      2015.02.13 Friday 23:15
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        コメント

        どうも、川島です。

        いつも思いつきで書くので収拾がつかなくなるのですが、文芸部はちょいとやり過ぎでしたね。どこかのライトノベルにこんな話がありそうな気がします。

        文学少女という言葉には物静かなイメージがつきまといますが、フミエの場合はそうはならないのではないかと僕は思うんですよね。曲がったことは嫌い。間違っていることには口を出さずにはいられない。本から得た幅広い知識から発せられる、簡潔でいて筋の通った持論で相手を説き伏せるクレバーな少女というのがフミエの最終形態なんですよ。僕の中では。そうなる過程で今回出した文芸部の部長のような強かな人間が必要なのではないかと思ったんですね。
        そういうフミエの将来を想像するなら、此花さんの警察官は遠からずという感じがします。そこまで頭が良くなるかはわかりませんが、僕としては弁護士とか検事向きな気がしますね。弟のアキラもその素質はありそうなので、法廷対決なんてものも実現するやもしれません。

        一方のハラケンですが、彼をロボット研究部に入れたのはちょいとしたワケがありまして、本編への伏線とまではいきませんが、ほんの少し絡んでくる部分があるんですね。そういう意味ではこのロボットペット論も無関係ではありません。ちょっとだけ、本編でこれから出て来る話に引っかかる部分があります。その時は此花さんのご意見も参考にさせていただきたいと思います。

        ヤサコに関しては、毎回平凡ですよね。まともなのはいいことですが、いつもなぜか面白いアイデアが浮かばない人です。彼女に関しては此花さんのおっしゃる通り、一番まっとうな中学生活を過ごしそうです。此花さんのご想像された会話が実際に成り立つと思います。そんな彼女も、フミエに引っ張られて文芸部の活動に少し参加させるようにしましょうか。

        その続編なんですが、このストーリーはこのまま『春』の第三部に直結しますので、書くとしたなら『春』の完結後になると思います。電脳コイルの二次小説とはいえ、その時はただの青春群像劇のようなものになるでしょうね。文芸部の戦いが基軸にあるわけですが。

        その時に書く気力が残っているかはわかりませんが、彼らのその先も気になりますので、前向きに検討しておきます。
        | 川島奏 | 2010/10/01 12:07 AM |
        こんにちは、此花です。

        く、黒いですね文芸部。フミエの文学少女への道はむしろ遠のいた気がします。中学でも学校全体を巻き込んだ電脳戦争が展開されるのでしょうか。どうもフミエは三つ子の魂というやつで警察官にでもなってしまいそうですね。
        それからハラケンのところも中学とは思えないほどマニアックですね。人工筋肉とか、すごいレベルです。ただハラケンのロボットペット論には若干異論があって、もしロボットが普及すれば、ロボットの機能停止は情動的にも一種の「死」として認知されるのではないかな、などと考えています。ただ電脳ペットに比べて「高い」「かさばる」「メンテが大変」な点から、おっしゃるとおり電脳社会でペットロボットは人気を取れないとは思いますが。ネコ型ロボットが発表されたら違うかもしれないとも思いますが。
        ヤサコの吹奏楽部は一番まともっぽくて、3人の中で一番まっとうな中学生活を謳歌できそうなのはやはり彼女ですね。時々ヤサコとフミエが一緒に帰るときには、フミエは「ヤサコって部活をエンジョイしててうらやましいわ」とかぼやき、相槌を打ちながらもヤサコは「でもフミエちゃんも生き生きしてるわよ」「えー、大変なだけよ」なんて会話をしてそうです。

        「フミエ黒文芸部編」も実に面白そうですが、川島さんもお忙しいでしょうから、いつかそのうち時間があったら続編をものして頂ければと思います。
        それでは、本日はこれで失礼します。
        | 此花耀文 | 2010/09/29 11:00 PM |

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