奏作空間

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2015.02.13 Friday
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    『大黒市黒客クラブ戦記』 the last episode

    2010.07.02 Friday 22:50
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       いよいよ本日で『黒客戦記』が完結します。今回長いんですけど、最終回スペシャルということで一気に行きたいと思います。あとがきもありますので、どうか最後までお付き合いください。それではどうぞ。


       the last episode 「運命を変える者」

      『黒客』が大黒市の頂点にのぼりつめてからというもの、ダイチ達が電脳戦争に出向くことはなくなった。というのもフミエとの戦いはサッチーに攻撃されメガネが破壊されるという結末となり、その損害の補填に奔走していたのだ。戦争自体が少なくなった昨今、戦争で稼ぐのは難しくなった。
       そうは言ってもたまにダイチ達は新技の研究をしたり、最近はフミエの活動の1つである電脳ペットの捜索の手柄を横取りしてメタバグをちびちびと集めていた。第三小校区内ではほとんどもうメタバグも見つからないのだ。
       そうしていつの間にか7月になった。そこでかなりマンネリ化してきた『黒客』の活動を改革しようとしたダイチは、いいことを思いついたと言って放課後校区内のガラクタ屋にメンバーを集めた。
      「なあ、ナメッチ。オレたち『黒客』に足りないものはなんだと思う?」
      「え?そうッスねえ……優しさとか」
      ナメッチの素っ頓狂な答えにダイチはうなだれた。
      「それはお前なりのボケか?寒すぎる。まあこの季節にはちょうどいいが」
      「なんか変わってねえなあ。このナンセンスさは結成の時から変わってないぜ」
      ガチャギリもこれには苦笑するしかなかった。
      「じゃあ何なんスか?今の『黒客』に足りないものって?」
      「わかんねえかな?華だよ、華」
      ダイチが頭を掻きながら言う。ガチャギリはこれにも吹き出した。
      「いきなり何だよ?らしくもないこと考えるんだな。オレたちには華がないってか?」
      「オレたちって言うか、お前ら。正直オレ以外にビジュアルの冴えるヤツがいない。はっきり言えばもっさりしてる。夏を迎えるにあたって、これじゃどうにもやる気が出ない」
      「悪かったな。それにめでたいヤツだなお前は。そんなに自分のことをイケてると思ってんのか?正直案外だぞ」
      「うるせえな。お前もそう感じてるんならちょうどいいだろ。ここいらで初めての女子構成員を加えるっていうのはどうだ?」
      ダイチの提案に、ガチャギリは暑さでついに頭がイカれちまったかと思った。
      「誰をメンバーに加えるんだよ?オレたちは学校の中ではだいぶ白い目で見られてるんだぞ。今更『黒客』に入らねえか?なんて誘っても、どん引きされるだけだろ」
      「いや。いいニュースがある。オレたちのクラスに、今度2人も転校生が入って来るらしい。しかも2人とも女だ」
      「ああ。マイコ先生が言ってたッスね」
      ダイチと同じ63組のナメッチがうなずく。
      「そいつらを『黒客』に誘うってか?第一メガネに興味関心があるのかもわからねえし、そいつを入れてどうするんだ?『黒客』夏合宿と称して、海にでも連れ出すのか?」
      「いいなそれ!じゃないじゃない。別にそんなことは考えてないが、オレが言いたいのは変化が欲しいってことだよ。オレたち『黒客』には男女格差がないっていうPRにもなる」
      ダイチはそれをやるならフミエと行きたいと思った。小学校生活の中でずっと思い続けた人だ。浮気などできない。
      PRねえ。ま、お前がやりたいんなら止めねえけど。じゃあ、頑張ってその転校生を口説き落としてくれや。『黒客』1番のイケメンさん」
      「任せとけって」
      そうしてダイチは転校生がやって来る日を待った。
       
       ところがその翌日、ダイチは最近の日課であるフミエの電脳ペット捜索の横入りを画策していたのだが、とある見知らぬ少女のおかげで獲物をフミエに横取り(?)されるという事件が起こった。どこの誰だか知らないが、次会った時には損した分を弁償してもらわないといけないなと思いながらその次の日学校に登校すると、その少女が63組の教室にいた。
       その転校生の少女の名前は小此木優子。柔らかい雰囲気の持ち主だが、見た感じでは正直メガネの腕の方は微妙そうだった。何より気に食わなかったのが、昨日の一件で仲良くなったのか、すでにフミエサイドに取り込まれていることだった。これは近いうちに一回いてこましてやらないといけないなとダイチは思った。
       まだ転校生はもう1人いるし、ダイチは彼女を諦めることにした。そのもう1人の転校生はこの日ドタキャンしたらしい。随分神経の図太い転校生だなと思い、それも逆に期待に変わってダイチは楽しみに明日を待った。
       
       そして次の日、『黒客』の運命を変えるもう1人の転校生がやって来た。名前は天沢勇子。第一印象は悪くないとダイチは思った。見た目は大人しそうだが、その瞳の中はどこか攻撃的な色彩を帯びている。長らく戦いの日々に明け暮れたダイチには直感的にわかった。こいつは出来ると。それにビジュアルも平均以上だ。これはガチャギリが好きそうな系統だなと勝手に想像し、ダイチは1時間目の授業が終わると早速声をかけることにした。
       しかしフミエサイドの動きも速かった。ダイチよりも先に天沢勇子に声をかけている。しかも話の内容を盗み聞きしていると、フミエ達は昨日すでに彼女を会ったかのような口ぶりだった。これはまた小此木パターンで取り込まれるんじゃないかと心配したが、フミエ達の交渉は不発に終わったようだった。これで安心してこっちの勧誘が出来ると、ダイチは得意の横入りで輪の中に割って入った。
      「おいブスエ。お前また勧誘してんのか?探偵ごっこクラブに?」
      「うっさいわね」
      フミエは辟易したように返す。フミエもダイチ達との戦いの後、資金稼ぎのためにコイル探偵局の活動に専念していた。
      「お前のへぼクラブになんか、誰も入んねえよ。それより、オレのクラブに入れよ。すんげークールなクラブなんだぜ」
      ダイチの可憐な勧誘に、天沢勇子はそっぽを向いた。
      「な、なんだシカトか?このオレ様をシカトするのか?」
      「そんな男ばかりのダメクラブ。ダメに決まってるじゃない。チビスケ」
      フミエはなかなか痛いところを突いてくる。その男ばかりに飽きたからこうして勧誘しているのに。
      「んだとーチビスケ!ミチコさん呼ぶぞ!」
      ダイチは呼び出し方など知らないが、相手を凹ますには十分な言葉だった。
      「私だってミチコさん呼ぶわよ!」
      「うるさい!!」
      張り合いに応じたフミエの言葉の直後、天沢勇子がいきなり怒鳴った。教室は一瞬にして静まり返る。
      「どっちのチビスケも、もう話しかけるな」
      さしものダイチとフミエも、転校生のこの言葉には何も言い返せなかった。
       
      「オヤビ〜ん。やっぱりやっちゃうんですか?転校生」
      2時間目の授業中、ダイチの後ろの席のナメッチが問いかけてきた。
      「当たり前だ」
      ダイチも腕を組みながら毅然と返す。
      「でもオヤビン。うぶな転校生をだまくらかして、我がクラブ初の女子構成員に仕立てるぞって意気込んでたじゃないッスか」
      「オレを無視しやがった。あんなヤツはクラブに入れてやらん」
      長らくこの学校でふんぞり返っていたダイチにとって、天沢勇子の行為は屈辱だった。この学校でダイチに歯向かえばどうなるのか、今から教えてやろうとしていた。
      「じゃあ、あっちの転校生はどうなんスか?」
      ナメッチがフミエの席の前の小此木優子を見ながら訊ねる。
      「アイツはすでにブスエの仲間だ。我々の敵だ。最初にガッツーンとやっとかなければならん」
      そう言ってダイチはキーボードを出す。まずは小此木優子の腕を見極めようというところだった。
      「あ……な、なにこれ!?」
      小此木優子は目の前に表示された手紙に気付いた。次の瞬間におびただしい数のバナーが開かれ始める。ダイチ得意のバナー攻めだ。授業中のいたずらとしてはうってつけの技である。案の定小此木優子はテンパっている。やはりメガネのスキルには乏しいようだった。
      「うわっ、消えない!」
      「このいたずらは!」
      フミエはすぐに異変に気付いてダイチを見る。ダイチとナメッチはどや顔で笑い返してやった。
      「ヤサコ、管理共有って言って」
      「か、管理共有!」
      小此木優子がわけがわかっていなさそうな顔でそう言うと、フミエはすぐに自分のキーボードを操作してたちどころにすべてのバナーを消し去り、手紙もメガビーで消滅させた。
      「ふーん」
      フミエもどや顔でダイチ達に不敵に微笑んだ。フミエがついているんじゃ小此木優子をいてこますことは難しいとダイチは思い、下唇を噛んだ。
      「じゃ、この問題。天沢さん。やってもらえる?」
      するとこのタイミングで天沢勇子が先生に問題を当てられた。ダイチは水を得た魚のように嬉しそうな表情に変わる。絶好機だ。天沢勇子はテンパる姿をみんなの前で晒し、大恥かいてさっきの行為を後悔するはずだった。その姿を想像しながらダイチはキーボードを打ち込み始める。
      「ん?」
      黒板の算数の問題を解いている天沢勇子の目の前に、小此木優子の時と同じ手紙が現れた。そして無数のバナーが開かれ、瞬く間に黒板を覆い尽くした。天沢勇子は意に介していないようだが、果たしてそのまま平静を装っていられるかなとダイチはほくそ笑む。
      「お手並み拝見といきましょうか」
      フミエも天沢勇子には手を貸さず、そのスキルを試すようだった。
      「んお?」
      しばらくしてダイチはある異変に気付く。天沢勇子は平然と問題の解答を続けているのに、バナーは少しずつ減っているのだ。
      「消えてく!?えい」
      ダイチは本気出してキーボード打ちに取りかかる。これでバナーが開くペースも速くなる。なのに、天沢勇子の目の前のバナーはいっこうに増えていかない。普通ならここでメガネがパンクしているところだ。
      「スピードは互角のようね」
      フミエも少し感心したようにつぶやく。
      「でも、答えを書きながらよ」
      「あら?どこで操作しているのかしら?」
      フミエも、そしてクラスのメガネをかけている生徒もうすうすこの異変に気付き始めていた。天沢勇子は一切メガネを操作していない。右手は答えを書いているし、左手も微動だにしない。足も動かしていない。なのに確実にバナーは減り始めている。
      「どうやって操作してるんだ?」
      「さあ?」
      ダイチもこれには唖然とするしかなかった。天沢勇子がメガネを操作しているのは間違いない。しかし、一切操作している素振りがない。
      「くそう」
      ダイチはさらにキーボードを打ち込み始めるが、この時には開くより閉じるペースの方が速くなっていた。そうしてついに天沢勇子のバナーはなくなった。ダイチにとってはたまげるどころの騒ぎではなかった。
      「お?それなんスか?」
      信じられないという表情のダイチの後ろで、ナメッチが何かに気付く。ダイチの目の前にはいつのまにか3通ものラブレターが届いていた。言わずもがな、天沢勇子からだ。
      「うわあ!?」
      一斉に開いた手紙は恐ろしいペースでバナーを開いていく。ダイチもキーボード操作で消しにかかるが、手作業で閉じきれるものではないとすぐにわかった。
      「ひい!?ひえええええええええっ」
      天沢勇子が問題を解き終わった時には、ダイチのメガネは白く煙ってパンクしていた。
      「はい。天沢さん。よくできました」
      マイコ先生が黒板の問題も完璧に解いた天沢勇子をねぎらう。
      3倍返しっスね。オヤびん」
      ナメッチも初めて見るぐらい、ダイチの完敗だった。
       
      「許せん。オレのメガネをこんなにしやがって」
      「それにしても、アイツ全然手を動かさなかったッスね」
      「そうなんだよ。手作業でしか閉じられないタチの悪いバナーを厳選したのに」
       次の休み時間、ダイチは1組のガチャギリも呼んで天沢勇子について相談していた。ガチャギリもダイチのメガネがやられたと聞いた時は驚いたが、ダイチ達の話を聞いていてあるうわさ話を思い出した。
      「もしかしたら、イマーゴっていう隠し機能かもしれねえぞ」
      「イマーゴ?」
      ダイチが訊ね返す。
      「メガネには公開されていない機能があってな。それがイマーゴ」
      「へえ?」
      「そんなの聞いたことねえぞ」
      長らく大黒で戦いの中に身を置いてきたダイチであったが、それらしい話を聞いたことも、もちろんその使い手も見たことはなかった。
      「ああ。なんだか不具合が出てな。使用禁止になったらしい。それをメーカーがひた隠しにしてるってうわさだ」
      「で、一体どんな機能だ?」
      ダイチが身を乗り出して訊ねる。
      「それが、頭で考えただけでメガネを操作できる機能らしい。オレもそれを聞いて色々あたってみたんだが、うわさ程度の情報しか得られなかった」
      ガチャギリの調査の甲斐なく、めぼしい情報はネット上に流れていなかったらしい。
      「なるほど。さっきのアイツを見てると、そのうわさは本当のようだな。考えただけでメガネを操作できるのか」
      「それがあれば、電脳戦争でも常に先手を打ちながら攻撃ができる。その転校生、仲間にしてその方法を吐かせるのもアリだな」
      ガチャギリはその技に魅力を感じていた。何よりそのソースを知りたいという気持ちがあった。もしかしたら、天沢勇子はもっとすごい技を有しているかもしれないと思った。
      「悪いが、アイツを仲間にはしないからな。オレを無視した上、メガネを破壊してくれたんだ。きっちりお返ししてやらねえと。それに見ろあれ」
      ダイチが今席をはずしている天沢勇子の机をさした。見事に机がひっくり返って、ご丁寧にその上からイスがかけられている。
      「やれやれ。あんな低学年レベルのいやがらせで自尊心を保とうとするとは。『黒客』を始める前と変わんねえな、ダイチ」
      「なんとでも言え。もちろん、後でメガネにもたっぷりと仕返ししてやる。その前に、少しずつ心を折ってやるんだよ」
      ダイチの言葉にガチャギリは息をついて教室を出て行こうとした。どうも自分が王様じゃないとイヤなのはまるで変わっていない。あれも『黒客』結成前のダイチが気に入らない人間に仕掛けていたようないたずらだった。
      「おお、そうだ。ガチャ待ってくれ」
      「なんだ?」
      ダイチが教室を出たガチャギリを思い出したように呼び止めた。
      「今日の放課後アイツをいてこます。お前が新構成員に推薦してたアキラも試しに加えたい。後で声かけといてくれよ」
      「わかった。言っとく」
      そうしてガチャギリが出て行った後、入れ替わるように天沢勇子が戻って来た。そこで一瞬、教室全体が固唾を飲むような空気になる。天沢勇子はひっくり返った自分の席に歩いていくと、すぐにダイチ達をにらみつけた。ダイチ達はそれに陰湿な笑みで返してやった。
       
       ダイチの天沢勇子いてこまし作戦は給食の時間にも決行された。今日はシチューを入れる当番だったナメッチに言いつけて、天沢勇子が来た時にシチューをこぼさせてやったのだ。
      「あっ!」
      驚いている天沢勇子にダイチとナメッチが畳み掛ける。
      「あーあ」
      「しっかり受け取れよ。転校生」
      天沢勇子もこれにはさすがにムスっとした顔になった。
      「あらどうしたの?」
      マイコ先生がそれに気付く。
      「コイツがこぼしたんです」
      ナメッチはお玉で天沢勇子を指しながら言った。天沢勇子はまたわかっていたかのようにダイチをにらむ。
      「そうなの?天沢さん?」
      マイコ先生の問いかけに、しかし天沢勇子は反論をしなかった。ダイチはその瞬間勝ったと思った。
      「じゃあごめんなさい、天沢さん。一応汚した人がきれいにすることになってるから、後でここ拭いといてくれる?」
      ……わかりました」
      ダイチはこっちも能天気な教師で良かったと思った。
       その後、ダイチは床を拭いてモップを洗いに行った天沢勇子の様子を見に行った。
      「へこんでるへこんでる」
      「これで大人しくなりますかねえ?」
      「いや、放課後もやるぞ」
      ダイチは計画通り放課後に天沢勇子のメガネ破壊作戦を実行しようとしていた。この大黒市でトップに君臨する『黒客』を敵に回したのが運の尽きだったなと、天沢勇子のことを哀れんだ。
       
       放課後、空いていたとある教室に乗り込んだ『黒客』はそこを本陣として構え、天沢勇子のメガネ破壊作戦を決行に移す準備をしていた。その時、ガチャギリが推薦する『黒客』の新構成員候補であるアキラが初めてダイチと顔を合わせた。
      「ご、ご噂はかねがねうかがっております!ふつつか者の僕ですが、どうかよろしくお願いします!」
      4年のアキラはダイチに会うなり、腰が折れるんじゃないかと思うほどの深いお辞儀をして、丁寧な言葉で挨拶をした。
      「おいおい。そんな固くならなくていいぞ4年。しかし、お前があのフミエの弟とはな。まるで性格が真逆だな」
      「アイツにこんな礼儀正しい弟がいたなんて思わなかったッスね」
      アキラを見てダイチとナメッチが話し合う。この性格から、フミエに相当虐げられていることは容易に察しがついた。
      「ま、問題は礼儀の良さじゃねえ。今日はお前の電脳力を見させてもらう。栄光の『黒客』に入会できるかどうかはそこから判断させてもらう。早速だが、天沢勇子を2階連絡通路におびき寄せるメールを作成してくれ」
      「は、はい。早速取りかかります!」
      アキラはもう1度頭を下げて、すぐに作業に取りかかった。
      「で、今日はどんな作戦だダイチ?今回は作戦発案者のお前に全部ゆだねるぜ」
      ガチャギリがダイチに訊ねる。いつもはガチャギリが作戦を立てるが、こんな小規模な戦いの立案をするのはさすがにめんどくさいということだった。
      「今日は作戦も何もない。天沢勇子を連絡通路に誘い込む。そこをショートカットで囲い込み一気にミサイルを撃ち込む。以上。イマーゴっていう技を使えるみたいだが、おそらくショートカットなんて技術は夢にも知らないだろう。アイツのメガネはボロボロになり、明日からは従順になる。ついでにイマーゴの使い方も吐かせる」
      「ダイチ、なんで今日転校してきたばっかりの子にそんなひどいことをするの。ねえ、やめてあげようよ。その天沢さんだって、話し合えばダイチのメガネを壊したことを謝ってくれるかもしれないし、『黒客』に入ってくれるかもしれないよ」
      今日は学校での戦争ということで、珍しくデンパの姿もあった。そのデンパは今回の戦いにあまり気が進まないようだった。
      「うるせえな、水を差すな。アイツに謝られたって、オレのメガネの修理代は返って来ないんだよ!」
      ダイチが強い口調でデンパに言いつける。今日のダイチの燃えたぎる憎悪は誰にも止めることはできなかった。
      「パケット料金はいくらになった?」
      ガチャギリがそのダイチのメガネの修復代について訊ねる。
      「あちゃー。お年玉換算で2年分ッスね」
      ようやく修復が完了したところでナメッチが報告する。
      「おのれ〜。今度はメガネで3倍返しにしてやるのだ。おい4年!」
      「あはい!」
      意気込むダイチに急に声をかけられ、アキラは直立不動になる。
      「メッセージは送ったか?」
      「あ、はい。ちゃんとサーバーも職員室に偽装して、さっき送りました」
      ちょうどその時、監視カメラが天沢勇子の姿を捉えた。天沢勇子はしっかりとアキラの偽装メールに引っかかって連絡通路まで来たのだ。
      「ようし、仕事が速くてよろしい。ナメッチよりも使えるな」
      「オヤビん、そりゃないッスよ〜」
      ダイチの言葉にナメッチは驚いて返した。アキラは「滅相もありません!」と謙遜して下がる。
      「おい、来たぞ。そろそろ構えとけ」
      息を殺したような声でガチャギリが言った。ダイチやナメッチ、アキラもキーボードを打ち込む準備を始める。
      「先生、どこですか……
      天沢勇子もただならぬ雰囲気にこれが罠だと気付いたらしい。膝を緩くしてすぐに動けるようにし、意識を研ぎすませて周囲の気配を感じようとしている。
      「ムダなことを。残念ながらそこにオレたちはいないぜ。ショートカットの切れ味思い知るがいい!」
      ダイチが号令をかけた瞬間、『黒客』メンバーはスイッチが入ったように一斉にキーボードを打ち始めた。
      「はっ」
      天沢勇子はショートカットの攻撃が始まった瞬間に反応した。すぐに積まれていた段ボールの陰に隠れる。
      「反応速かったな。でもここからだ」
      ダイチはショートカットを一旦閉じ、また新たなショートカットを天沢勇子の正面上に開く。そこからまた直進君で狙ったが、天沢勇子は素早い身のこなしでそれも避けきる。そこから次から次へとショートカットを開いてゆき、ようやっと天沢勇子の手にダメージを負わせることができた。
      「いいセンスしてるぜあの女。避けるにしてもムダな動きがないし、避けられない攻撃からはとっさに手を出してメガネをかばいやがった」
      「できるヤツとは思っていたけどな。単独での戦闘能力ではフミエの上を行くかもな」
      そうガチャギリとダイチがそう話している間に、天沢勇子は鉄壁を出してショートカットの攻撃を阻んで見せた。
      「このお!このお!」
      『黒客』はここで力押しに出た。鉄壁にも構わずミサイルを撃ち込み崩壊を狙う。
      「直進くんです」
      アキラは弾の交換にまわり、ナメッチに新しい直進くんを渡した。
      「おい4年。どんどん補給しろ」
      「あ、はい」
      「はいじゃねえ。ヘイだ」
      「へ、ヘイ!」
      ナメッチが『黒客』での返事をアキラに叩き込む。しかしそんな返事をするのは残念ながらナンセンスナメッチしかこのクラブにはいなかった。
      「くそう。直進くんじゃ破れねえ」
      「安物ッスからねえ」
      ダイチはいらつき始めていた。相手に時間を与えるとどんな反撃が来るかわからない。
      「追跡くんを出せ」
      「ヘイ!」
      しびれを切らしたダイチは切り札の兵器を投入することに決め、アキラに指示を出した。
      「追跡くんは貴重品だ。もっと温存した方がいいんじゃねえか?」
      ガチャギリがダイチに言う。ホーミング機能を備える追跡くんは、1発当たりの単価がべらぼうに高い。
      「構わん!オレたちの本気度をあの女に見せつけてやるのだ!」
      そう言うとダイチはアキラに追跡くんをセットさせた。直進くんの掃射を一旦やめ、1袋分を撃ち出す。
      「いけえ!」
      5発の追跡くんは鉄壁の下をすり抜け、天沢勇子めがけて飛んで行く。天沢勇子もこれには歯を食いしばりながらなんとかしゃがんでかいくぐり、2発のミサイルは段ボールに直撃して散っていった。しかし残り3発のミサイルはUターンして再び天沢勇子を狙う。そこで天沢勇子はそのうちの1発に何やら投げつけた。するとそのミサイルは爆発し、連鎖的に残りの2発も爆発した。しかし間髪いれず新たに4機のミサイルが鉄壁をすり抜けて飛来する。天沢勇子が新たに出現させた鉄壁の上をすり抜け、Uターンしたミサイルのうち1機は天沢勇子の手に直撃した。ところがダイチ達の見ているレーダー上では残りの3機がヒットしたのかどうかはわからなかった。
      「当たったか?」
      「わからねえ」
      1発いくらだ?」
      1200メタッス」
      「値切ってか?」
      「値切ったッス」
      「あー世知辛いぜ」
      ダイチは思わず息をついた。今の一瞬で1800メタ分を消費した。にも関わらず天沢勇子のメガネは破壊できなかった。
      「追跡くん、1袋使い切りました。最後の袋も出しますか?」
      アキラがショックを受けているダイチに訊ねる。
      「いやそれは待て。おいまだか?鉄壁のハッキング方法」
      ダイチがガチャギリに訊ねる。やはり鉄壁を取り除いて直進くんで攻撃しようと方針を変えた。
      「近い方法は載っているんだが」
      従来の戦争では相手と対峙をしながら戦っていたので、鉄壁を取り除くなんて悠長なマネはしていられなかった。だからガチャギリもその方法は身につけていなかった。
      「これ、これを応用すればいんじゃないですか?」
      「ん?ああ!そうか」
      アキラのアドバイスでガチャギリもその方法を思いついたらしい。やはりアキラは使えるなとダイチは思った、
       そうして鉄壁を取り除いたが、そこに天沢勇子の姿はなかった。
      「いねえな」
      「連絡通路からこっちはオレたちのテリトリーなんだ。逃がさんぞ」
      そうして丹念にレーダーを調べてみたところ、天沢勇子の位置が判明した。そこに改めてショートカットを開いて直進くんを撃ち込もうとする。ところが直進くんを撃ち出すよりも早く、開いたショートカットに今度は天沢勇子がいびつな図形のような記号を投げつけてきた。
      「な、なんだこりゃ?」
      投げつけられた記号は黒客本陣の空間に広がった。ダイチは得体の知れない攻撃に慌ててしまう。しかしダイチの目の前に不正なアクセスを拒否したという表示が現れ、記号は虚しく崩れ落ちて行った。
      「防壁が阻止したぞ」
      「今のは、最近あちこちの道路に書いてあるやつだ!」
      アキラが驚いたように言った。メンバーも少なからず今の図形を目にしたことがあった。
      「防壁を通らなきゃ問題ねえ」
      その時天沢勇子がカメラの向こうで新しい鉄壁を出現させた。
      「それで隠れたつもりかよ。やれ!」
      ダイチの指示により、ガチャギリとアキラが先ほど身につけた方法で鉄壁を取り除く。
      「直進くんを撃ち込め!」
      ダイチが叫んでその場所に直進くんが撃ち出される。ところが攻撃に夢中のダイチ達の気付かないうちに、足元から天沢勇子の暗号の魔の手が忍び寄っていた。ナメッチの脇に置いてあった未開封の直進くんの袋に暗号が到達すると、袋は暴発を起こした。
      「びええええええっ!」
      あまりに突然の出来事にダイチは心臓が止まりそうな思いだった。
      「お、お前何やった?」
      鼻水たらしてメガネから白い煙が吹き上げているナメッチにダイチが訊ねる。
      「メガネが、壊れました」
      情けない声でナメッチが報告する。これにはガチャギリやアキラも茫然とした。
       直後に教室全体にノイズが走った。ダイチは辺りを見回しながら敵の仕業かと勘ぐる。
      「この空間がハッキングされている!」
      ガチャギリの肩やデンパの頭もバチバチと文字化けを起こす。
      「一体どこからハッキングしてる!?」
      「アイツのいるドメインからのアクセスはすべてはじいてるぞ!」
      「攻撃は2カ所からです!」
      ガチャギリとアキラがすぐに報告する。ダイチにはその攻撃の心当たりがあった。
      「おのれ!1つはフミエに違いない!ヤツら結託したんだ!」
      「違います。見てください!」
      アキラがすぐに映像を出す。するとフミエと小此木優子はダイチ達の予測したドメインとは無関係な場所にいた。
      「全然違う場所にいるなあ」
      「じゃあ、どっちが本物だ?」
      すぐに敵の位置について調べると驚愕の事実が判明した。
      「んなバカな!アイツ分裂したのか!現実の場所はどっちかわかるか?」
      レーダー上では天沢勇子のマークは2つある。どちらかが本物だとダイチは確信した。
      「偽装している!やってみるが、ヤツがボロでも出さない限り見つかるかどうか」
      ガチャギリの苦しい表情に、ダイチは別の手も使おうと考えた。
      「ナメッチ!」
      「お年玉、2年分……
      声をかけられたナメッチはメガネが壊れて半ば放心状態だった。
      「ナメカワ!」
      「ヘイ!」
      ダイチが耳元で怒鳴ってナメッチはようやっと正気に戻った。
      「お前!メガネないんだから足で稼げ!ヤツのメガネを取り上げてこい!」
      「ヘ、ヘイ!」
      泣きそうな声でナメッチが飛び出して行く。電脳戦争ではタブー化されている行為だが、相手の得体の知れない力に気圧されたダイチはなりふりかまっていられなくなっていた。
       ダイチ達が必死こいて天沢勇子の位置を特定しようとしている間、ナメッチは彼女の姿を校舎の中をくまなく探していたが見つけることはできなかった。そうしてダイチのもどかしさが極限まで達した時、おかしな事が起こった。ダイチのレーダー上に天沢勇子の位置が現れたのだ。
      「あれ?場所がわかったぞ。1階の元理科室だ」
      「なんだって?なんでわかった?」
      「なんでわかったんだろう?」
      ガチャギリが不思議そうに訊ねるが、ダイチはもっと不思議な気分だった。その間、ダイチの座る机の下に開いたショートカットから、毛糸玉のような生物が続々と『黒客』本陣に乗り込んできていることにメンバーは気付いていなかった。
      「ショートカットは繋がってるか?」
      「あります!」
      「ようし、とっておきを出せ!」
      「ヘイ!」
      ダイチはアキラに言いつけて残りのミサイルをそこにつぎ込もうとした。しかしアキラは武器を収めていたカバンの中を見て驚いた。
      「あれ?な、ないよ!」
      「なにっ!くっそ!ナメッチに電話して……ああ!メガネないんだアイツ!」
      ダイチはもう収拾つかなくなってきていた。何が起こっているのかさっぱり理解できない。次の手を考えるのも乏しい頭ではかなわない。そんなダイチの行き着いた作戦はこれだった。
      「直接行くぞお!どてかましたれ!」
      そう叫びながら飛び出したダイチを追ってデンパもついて行く。
      「ウウォーリャー!」
      切れ者ガチャギリも、これしか打つ手はないとダイチの後に続いた。
      「だあっ!ま、待って〜!」
      のろまなアキラはこけながらダイチ達の後を追った。
       
      「イ、イサコちゃん?いまーすか?」
      ダイチ達より一足先に元理科室にイサコを探しにやって来たナメッチ。そこでちょうどいいところに無造作に置かれてあった教師用のメガネを見つけた。早速かけてみる。
      「ヘヘッ。使えるかな?」
      電源が入ってOSが起動し、ナメッチは視線を上下に動かしてみる。すると足元から先ほどの記号が不気味にナメッチの体を這い上がって来るのが見えた。
      「いいやああああああ!!」
      教師用のメガネは起動してから3秒でクラッシュしてしまう。ナメッチもこれにはへたり込んでしまった。
       ちょうどその時、ダイチ達も元理科室前に到着した。
      「残りの武器はこのかんしゃくだけだ。落とすなよ」
      ダイチはもう音でビビらせて相手がひるんでいる隙にメガネを取り上げるつもりだった。ガチャギリとデンパにかんしゃくを分け、中の様子を確認してからなだれ込む。
      「突っ込めえええええ!あ!」
      部屋に乗り込んだダイチ達の目の前にはいくつものショートカットが口を広げて待ち構えていた。唖然として何が起こっているのか頭で飲み込むより先に、無情にもショートカットからミサイルの一斉掃射が始まった。
      「うわああああああああ!!」
      ダイチはどこか遠くの方でカラスが鳴いたような気がした。
       
      『黒客』は散った。
       大黒市を制覇した後、ダイチは新たなる強敵の出現を待ち望んでいたが、それも叶わぬ夢かと思い始めていた。しかしその強敵は意外なところから現れ、完膚なきまでに『黒客』を叩きのめしていった。これは『黒客』が喫した敗北の中でも、最も無様なものだった。
       そして『黒客』の運命の歯車はこの日を境に大きく狂い始めた。天沢勇子は後に『黒客』を乗っ取り、そして大黒電脳界で一時代を築いたダイチは追放されることになる。
       

       しかし、『黒客』の戦いの軌跡が色褪せることはない。天沢勇子の運命に巻き込まれその形を変えようとも、戦友達の胸の中には共に戦いに明け暮れた日々の記憶が刻みこまれている。彼らはその記憶に奮い立たされて様々な困難に立ち向かっていく。
       
       彼らが再び結集したのは翌年の春。そこからまた新たなる『大黒市黒客クラブ戦記』が紡がれていくことになる。

      『大黒市黒客クラブ戦記』(完)


      ーあとがきー

       どうも最後までお付き合いいただきありがとうございます。『黒客戦記』も、ようやく完結に持って行くことができました。ひとえに、皆様の応援のおかげだと思います。

       最後にアニメの名エピソードである「大黒市黒客クラブ」を持って来るというのは当初から構想していたものです。しかし書いていて思ったのは、ダイチが前までのテンションと全然違うということですね。『黒客戦記』では完全に僕の中のダイチ像をふくらませていました。アニメのダイチが好きな方には、まったくもってつながりが不自然になったことをここでお詫び致します。

       書き始めた当初はこんなに長い物語にするつもりはなかったわけですが、どうも僕には物語をコンパクトにまとめるという能力が欠如しているようで、うだうだと4ヶ月近くも続ける羽目になってしまいました。言い訳をするなら、僕自身も『黒客』にさらなる愛着が湧いて、勝手に物語が膨らんでいった結果こうなったのだと思います。

       これだけ書いてこのままにしておくのはなんか勿体ない気もしたので、この小説を「小説家になろう」の方に投稿することにしました。このブログでは文字の太さがバラバラで、皆様には本当にご迷惑をおかけしましたし、過去の記事はどんどん埋まっていくこともあって、読み返すのが非常に不便でした。ですので、万が一またこの物語を読み返したくなりましたら、是非「小説家になろう」の方でお読みになってください。近日中に全話アップいたします。

       それから当初色々とアイデアを上げたんですが、次のスピンオフ小説の連載についてはまだ未定です。今回のことで連載2本がいかに大変かがよくわかり、若干の後悔をしたのも事実です。なのでしばらくはこのブログもまた通常回に戻そうかと思います。アイデアがストックでき次第、また次の作品に取りかかろうかと思います。

       それでは改めまして、最後まで『黒客戦記』をお読みいただきありがとうございました。『春』における彼らの今後の活躍にもご注目ください。

       

       



      『大黒市黒客クラブ戦記』 | comments(3) | trackbacks(0) | - | - |

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      2015.02.13 Friday 22:50
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        コメント

        こんにちは、此花です。

        長い間連載2本というハードスケジュール、お疲れさまでした。黒客戦記のラスト、何やらしっくりきて良い感じですね。これまでのダイチたちは大人びていて、以前も書いたとおりそこが魅力なんですが、どこまで行ってしまうのかという一抹の寂しさのようなものも感じていました。が、最終回で違和感なく本編に戻ってきて、黒客のメンバーにもねぎらいの言葉をかけてあげたい風情ですね。

        雨響さん、文系一直線の私に大変難しい話題を出してくれましたね(笑)。しかも雨響さん、川島さんの鋭い考察でほとんど謎は明かされてしまったような気もしますが、一応私見を申し述べます。
        私の考えも川島さんとほぼ同じで、恐らく空間はグリッドか何かで細分化され、まさに川島さんのおっしゃったように、個々が細胞としてある程度の自立性を有する。サッチーのフォーマット光線は圧縮された修正プログラムの束であり、対象に命中すると同時にサーバへのデータの上書きを行う、と。
        とまあこれだけ書いても芸がありませんから、じゃあどうして直接サーバのフォーマットを行わないでオートマトンなんて使ってややこしい事をしてるんだという点についても考えてみました。
        恐らくは、メガマスにも把握しきれないほどサーバの情報が重複、干渉し合って、修復範囲が特定できない、という問題があったんじゃないでしょうか。じゃあどうしようかという時に、ならば原因ではなく結果のところでつじつまを合わせればいいじゃん、と隠蔽体質のメガマスらしい意見が出てきたのだと思われます。しかし表面だけ取り繕ったのではいくらなんでもすぐにぼろが出るから、修正を行った時点で関連するサーバの情報にさかのぼって更新が行われる仕組みにした。で、最初はオートマトンなんか使わずに、事前告知の上で決められた日に決められた範囲をフォーマットしていた、と。ところが、その方法では自然発生的なバグや位置的に固定されたエラーには対応できるが、悪意ある人間がいた場合は通用しないし、バグの発生は小刻みかつ頻繁だったから効率が悪い。かと言ってフォーマットを非通知、広範囲にしたらとんでもない量のクレームが起きることは目に見えている。ならいっそのこと小レベルのフォーマットを連続して行える巡回型で可視化されたオートマトンを使えばいい、ということになった。バグを使って遊んでる子供はたくさんいますよ、のきなみやっつけられたらまずいんじゃないですか、という意見には、オートマトンの速度は子供の走る早さくらいにしとけばすばしこい小学生は逃げ切るだろ、と。でもそれじゃ肝心の電脳犯罪者を逃がしてしまいませんか。そういう例外のために空間管理室が税金食ってるんだろうが、メガマスの仕事は空間管理のための手段を提供することで、手段を使って目的を達成するのは空間管理室の仕事なの。というタテ割り行政的な会話があったものと考えます。

        さて、次のネタですが、そうですね、平凡なところですが、皆さんの好きなエピソードを教えて頂けますか。私のは、ええ、すみません、時間がなくなったので次回書き込みに手お伝えします。それでは。
        | 此花耀文 | 2010/07/05 3:44 AM |
        どうも、川島です。

        雨響さん、ネタ振りありがとうございました。新参者だなんて遠慮なさらなくてもいいんですよ。僕の方こそお二方の鋭い考察について行くのがやっとですから。

        さて、今回のお題はサッチー、キューちゃん、メガビーの光線についてですか。あんまり考えたことのない話題でしたね。雨響さんのコメントを読ませていただいてこの問題に関してなるほどなと思いました。安心してください。僕も典型的な文系で、「微分積分?なにそれうまいの?」っていう人間ですから、ど素人なりに分析していきたいと思います。

        僕はですね、雨響さんのご意見の中では後者の方が有力じゃないかなと思います。プログラムの文字列が撃ち込まれる時に、その文字列の軌跡が空間に干渉して光線に見えるというものです。
        これが有力だと思う根拠となる場面もあります。アニメの第2話の終盤で、メガばあがモジョに襲いかかるところです。問題のシーンはBSアニメ夜話でも作画の技術を説明するために取り上げられていました。メガばあがモジョを狙ってメガビーを発射し、それが床に当たって飛散するというシーンなんですが、目を凝らしてよく見てみると、この時エメラルド色のアルファベットの文字も一緒に飛び散っているんですよね。
        雨響さんのご意見の前者は、あの光線は触媒じゃないかということでした。通信通路という言葉は非常にわかりやすいんですが、そうなるとプログラム自体は見えないもの(少なくともエメラルド色ではないもの)として存在しているということになります。メガビーがはじけたところで文字が飛散するというのは、これを前提とすると説明がつかないのではと思います。

        ではあの光線はプログラムの束だったとして、それがどう空間に影響を及ぼすのか考えていきたいんですが、雨響さんのおっしゃることはもっともで、固定化されていないプログラムが流し込まれたところで、なんで光線を受けた空間が新しい空間に変わるのかというのは疑問です。例えばある空間をフォーマット中に、そこを鉄壁で遮られてしまっては注入中のプログラムとしては未完成であり、空間をフォーマットするという効果が得られなくなるはずです。ところが光線を受けた空間はその時点で新しい空間に変わっています。そこに矛盾があるのではということですよね。

        そこで僕は強引な考え方をもって来ようと思います。空間がフォーマットされる際、その空間は細分化され、それこそ人間の細胞レベルぐらいの小規模な単位に分けられていると仮定し、そして撃ち出す光線に関しては、これも細胞レベルに小さい固定化されたプログラムの塊だと考えます。言ってることが矛盾していると言われそうなんですが、僕は結局あの光線に関しては、本当に小さく圧縮され、メタタグのように固定化されたプログラムが連続して撃ちだされているんじゃないかと思うんですよね。細分化された1つ1つの空間にその小さいプログラムを撃ち込む。だから光線を受けた空間からフォーマットが完了される。光線が飛散する時になぜ文字も飛び散るのか、それはうまく機能しなかったプログラムの塊が床などに衝突する際、はずみで文字化けに近いものを起こしたのだと解釈すれば矛盾も起きないかなと。

        非常にまとまりのない文章になってしまいましたが、僕の考えは伝わりましたでしょうか。わかりにくいということがあればまた言ってください。これについては此花さんのお考えも参考にしたいと思います。
        最後に此花さん、次のネタ振りをお願いしてもいいでしょうか。それでは本日はこの辺りで。
        | 川島奏 | 2010/07/04 6:03 PM |

        どうも雨響です。
        大黒市黒客クラブ戦記完結お疲れ様です。
        そしてアニメへと繋がっていくのですね。
        今回の話を読んでるとアニメの彼等に引き戻されたといいますか、こうだったなあと懐かしく思ってしまいますね。
        アキラは対イサコ戦に備えての要員でしたか。
        とりあえずナンセンスナメッチに何度か笑わせて頂きました、ありがとうございます。

        さて順番的にと回されましたネタ振りですが、新参者の私なんぞがつとめてよろしいのでしょうか。ただでさえお二方の深い解釈と考察に自分の未熟さを毎回恥じていますのに。
        ではそうですね、話がすれますがアニメでちょっと気になったところがあったのでそれについてお二方の考えをお聞きしてもよろしいでしょうか。
        気になったところ、というのはメガビーやサッチー、キューちゃん等のフォーマット光線の原理についてです。
        最初に疑問に思ったのがあの光線でどうやって古い空間を新しい空間に書き換えているのかです。
        そういうプログラムを空間に注入しているのか直接更新しているのかはよくわかりませんが、あの光線を受けた所はもう新しい空間になってるわけですよね。ではあの光線はなんなのかな、と思いまして。
        オフダや暗号のようにその完成されたプログラムが固定されたまま飛んでいったりするのは理解できるのですが、メガビーやフォーマット光線のように視覚化出来ない情報、というかプログラムは本体から出されて空間に干渉するまでどこにあるのかなと。
        最初はサッチーが古い空間を認識しそこを書き換える際にエフェクトとしてそれらしく出るだけのものかなと考えたのですが、それでは鉄壁などで遮られることがおかしくなってしまいます。
        だからあの光線はただそうみえる画像ではなく触媒のような役割をしているんじゃないかと思いました。
        そのプログラムは特殊な通信通路のようなものをかいさなければその空間に辿り着けなく、その通路が光線でありそれが指定の空間に辿り着く前に壁などに着いてしまえばそのぶち当たった物質にプログラムが打ち込まれると。
        あともう一つ浮かんだのが本体から直接文字列や数字列などで出来たプログラムがそのまま直線的に打ち込まれる時のその文字列などの軌跡が空間に干渉し光線に見えるようになった、とか。
        機械音痴で数学赤点常習犯の私が考えたようなことなんで理論的におかしいことうけあいですが、お二方のご意見をお聞きしたいなと思いました。
        下らない話題ですみません。
        | 雨響奏 | 2010/07/03 11:21 PM |

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