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2015.02.13 Friday
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    小説版「電脳コイル」について その形式の考察

    2009.08.07 Friday 23:49
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       ここんとこ暑いですね。でも夏は好きです。「電脳コイル」の季節ですので。いやいや。小学生のころからやはり夏は好きでした。なんと言っても夏休みがあるので。

       え〜今回は、前回も少し触れた小説版「電脳コイル」について書かせていただきます。なんかのレポートみたいなタイトルですが、気にしないでください。
       
       小説版にはアニメと違う魅力がいっぱいあります。とは言っても完全なアニメのノベライズでもないので、ストーリーも設定も違ったりして一概に比べられないんですが、やっぱり小説で面白いのは心理描写の細かさではないでしょうか。

       小説版の特徴的なところは、物語が主要登場人物の一人称で語られる点ですね。基本的にヤサコ、イサコ、ハラケン、玉子、時々メガばあ、最初の方にちょこっと京子、あと小説版の謎の存在マリリンマリーン、の目線で物語が描かれていきます。僕はこういう形式の小説は初めて読んだのですが、なかなか面白いと思いました。同じ出来事でもそれぞれの人物が感じたことが事細かに書かれているので、とても物語に厚みがあるように感じます。あんまり僕の説明が悪いので伝わりにくいかもしれませんが、小説をよんでいただくと「なるほど。」と思ってもらえると思います。

       僕の小説もこういう形式にしようか、客観的な視点で書こうか悩みました。僕の場合一人称形式で書いた方が面白いかなと思いつつ、結局は基本的には客観的な視点で書くことにしました。一人称形式はハードルも高いし、色々障害もあると感じたのです。
       
       その障害というのはですね、一人称形式にすると書ける場面が狭まってしまうということです。おそらくなんのこっちゃと思われるでしょう。これ小説版の場合、基本的にヤサコ、ハラケン、イサコ、玉子の目線で書かれていますよね。そうするとこの人物達が出会わないような場面は書かれていないのです。あくまでもその人物が出会った場面を元に物語は進みますので。

       もう少し具体的に説明しますと、例えば黒客のメンバーが集まって話し合うみたいな場面があるとします。この場面が描かれるのは、ヤサコが黒客に呼び出された時や、偶然会議中の黒客に出会ったときです。これはハラケンやイサコでも当てはまりますが、要するに黒客のメンバー、ダイチ、ガチャギリ、ナメッチ、デンパのみが会議したというだけなら、小説には場面として登場しないのです。そのメンバーの中に語り手はいないからです。

       僕が小説を構想した時に、このような黒客メンバー中心の場面が何度も浮かびました。しかし一人称形式ではそれを書くのは難しいと判断し、客観的な形式で書くことに決めたのです。じゃあダイチを語り手に加えたらいいじゃないか、ですって?うーん...

       これ小説版読まれてる方なら共感してくださるかもしれませんが、上記した語り手以外に語らせるのはちょっと...と僕は思います。おそらく小説版で先入観ができあがってるからでしょうけど。

       例えばフミエ。フミエの心情は、ヤサコが見たり聞いたりしたフミエの表情や言動から想像するというのが小説版のスタンスなんですが、僕はその形式あってこそ、フミエというキャラは輝くのだと思います。つまり僕の中では、常にヤサコを引っ張ってゆく「後ろ姿最強の友達」としてのフミエ像ができあがっているのです。「後ろ姿」というのが象徴していると思います。フミエは誰かの目線を通して活きるキャラなのです。「相変わらずダイチはバカだ。」とか、「今日もハラケンはいるのかいないのかわからない。」とか、フミエが語るのはどうでしょう。違うと思わないですか?それはそれで面白そうな気もしますが。

       以上の理由はダイチ達でも当てはまると思います。やはり彼らも誰かの目線を通して活きるキャラだと思います。ただ黒客のメンバーで言えば、デンパあたりを語り手にもっていくのもアリかもしれませんね。しかし「電脳コイル春」はそれを見送って一般的な小説の形式を採用しました。

       今回は小説の形式的なことばかり書いてしまいました。次回は小説版の魅力について書こうと思います。ではでは今日はこの辺で。

       

       


       

       
       


       
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