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    『新世界より』 再燃

    2014.02.22 Saturday 21:52
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      いつも閲覧頂きまして、ありがとうございます。

      今回は、かなり以前に川島の本棚でご紹介した、
      貴志祐介氏の『新世界より』について語りたいと思います。

      僕は此の度、再び本作にのめりこんでしまったので、
      タイトルを再燃とさせて頂きましたが、
      小説を読み返したわけではなく、
      ふと思ってアニメ版を見たのが、
      火が付いたきっかけでした。















      アニメ版は今から1年前ぐらいに放映されていました。
      小説を読んでかなり経ってから、
      アニメ化されるというのを知ったのですが、
      特にそのときは見ようと思わず、
      本当に最近になって、ふと思って見てみたんですよね。

      ところが、このアニメが原作に勝るとも劣らず、
      実に秀逸でした。

      風景、人間、動物の描写、挿入歌、BGM。
      どれをとっても効果的で、
      原作小説を読んでいる以上に、
      この世界観が堪能できるようになっています。
      本来はホラーテイストで、グロテスクなきらいもある原作ですが、
      程よい加減の描写になっていると思います。

      しかも話のテンポも良い。
      ボリューム満天の原作よりも、
      流れがわかりやすくなっています。
      本筋は原作とまったく同じと言っていいでしょう。

      ですので、アニメ版だけを見るだけでも、
      存分に物語を楽しむことができます。
      内容は以前に当ブログでもご紹介した通りです。

      全編通した感想を書きたいところですが、
      あくまで紹介文なので、過度なネタバレも野暮かと思います。

      というわけで、物語の核心には触れないように、
      僕の思うことを書いていきます。

      この物語は、1000年後の未来、呪力を持つに至った人間と、
      その人間に支配される、知能を持った獣の話です。

      しかし内容は、以前にもご紹介した通り、
      現代社会を痛烈に風刺したものとも読み取れます。
      あらゆる場面が、現代社会の抱える様々な矛盾と重なり合います。

      例えば、呪力を持つ人間と、それを持たない獣の、
      支配と被支配の関係について。
      持つものと持たざるものの立場が二極化される構図は、
      現代の格差社会に重ねてみることもできるかと思います。

      アベノミクスで景気が上向きだと云いますが、
      実際に僕らの暮らしは楽になっているでしょうか。
      今の社会は、財産や権力を持つ人たちだけが、
      豊かになっていく仕組みになっているんじゃないでしょうか。

      しかし、そう考える僕だけが苦しいのでしょうか。
      物資豊富で何不自由なく暮らせるこの国の人たちはみな、
      遠くの国で、想像を絶する劣悪な環境で生きる人たちに支えられて、
      生きているのではないでしょうか。

      人類社会を築き上げる上で、人々が積み重ねてきたこの"業"こそが、
      この物語の最大のテーマだと思います。
      人間は冷酷で残忍な生き物であり、
      自分の周囲の幻想だけを見て、その外にある現実を忘れ、
      生きているのだなと思います。
      この物語の美しい原風景は、その幻想の象徴に見えます。

      重い話をしても、皆さんがあんまり魅力は感じないかもしれませんし、
      僕もあんまり説教じみたことを書きたくはありません。
      それこそ、そういったことを伝えたいのであれば、
      小説という形で伝えたいなとは思っています。

      話はそれましたが、話の重さは人それぞれの受け取り方次第であって、
      僕としては、これだけ壮大でありながら伏線の仕込み、
      話の展開が見事な物語にはそうそう出会えないと思っています。
      是非皆さんにも肌で感じて頂ければと思う所存です。

      アニメ版に関して、ただひとつの不満があるとすれば、
      全25話あるうちの第5話だけ、極端に画風が変わっている点です。
      あの回は、画の違和感が終始気になり、内容が頭に入ってきにくいです。
      まさに画竜点睛を欠いたというところでしょうか。

      それを除けば、本当に完成度の高い作品に仕上がっていると思います。
      原作の分厚さに気圧された方は、アニメだけでもどうぞ。

      それから、この『新世界より』という物語には続編があり、
      『新世界 ゼロ年』という題名で小説の連載が進んでいるようです。
      連載は終わったのかどうか未確認ですが、
      遠くないうちに単行本が出るのではないでしょうか。

      続編という位置づけですが、舞台は『新世界より』の1000年前、
      つまり現代です。
      呪力を持った人間が現れ始めた時点が描かれ、
      『新世界より』で語られる血みどろの歴史、
      暗黒の500年につながっていくのではと思います。

      救いのあるお話になるかどうかはわかりませんが、
      怖いものみたさというのもあります。
      僕は非常に楽しみにして待っています。

      貴志祐介氏のほか作品に関しては、
      映画化されたことで有名になった『悪の教典』を、
      今後取り上げてみようかなと思います。











       
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