奏作空間

Reading & Creation Space "SOH"

スポンサーサイト

2015.02.13 Friday
0

    一定期間更新がないため広告を表示しています

    - | - | - | - | - |

    "SF"というイメージ

    2012.04.15 Sunday 22:47
    0
        先日の此花さんのブログの記事で、"SF"作品に触れられたものがありまして、僕も"SF"という言葉に対して感じていることを書いてみようかなと思いました。此花さんの評論と比べると、何とも幼稚な内容になってしまいそうなんですけれども。

       最近、僕は周りの近しい人に、ネットで小説を書いていることを明かすようになってきたんですね。ただ、あまり二次創作をしているとは言わないですし、今となっては作品が見られなくなったので言えないんですけれども。

       小説を書いているという事実だけを告げれば、当然「どんな小説を書いているの?」と訊ねられます。その時には「しいて言うならSFかな」と返すわけです。『電脳コイル』はもちろん、構想中の次回作もそれに近い性格を帯びていますので。

       そうしたら大体の場合「それってタイムトラベルもの?」とか、「スターウォーズみたいなやつ?」という風に返ってきます。

       僕ら世代(20代半ば)の"SF"のイメージは、おおよそこのようなもののようです。僕としてはそれらを狭義での「SF」と捉えています。

       Science Fictionですから、言葉だけを捉えればどこか科学的(という言葉の定義自体が曖昧な気がしますが)な要素が入った物語のことを指すのはもちろん納得できます。タイムマシーンだとか、宇宙だとか、ロボットだとか。しかし、科学的な要素が入っていなくても、現実世界にないものが具現化した世界を舞台にした物語は、これも"SF"と呼べると思います。

       例えば、以前このブログでも取り上げた『図書館戦争』などもそうです。メディア規制法によって情報統制が当たり前に行われる社会。非現実的ながら、現実世界が一歩道を間違えれば行き着いてしまいそうな世界が描かれていますよね。だからこそ社会風刺として読むことができますし、僕達も身につまされて考えさせられるところがあるのです。科学的というよりも、社会的。Social Fictionとでも言えるのではないかと思います。

       こういう類の物語は、往々にして時間設定が近未来になることが多いような気がします。『図書館戦争』も西暦で言えば2010年代の後半のお話でしたしね。それは現代を風刺する作家による未来への警鐘と受け取ることもできます。

       世の中に溢れる不条理が、何らかの形で具現化したちょっと不思議な世界観。米澤穂信さんの『ボトルネック』などもそれに当てはまると思います。これこそ僕が"SF"作品に求めるものであり、何とか書いてみたいと思うものでもあります。実はお蔵入りになった『電脳コイル』二次創作の次回作も、こんな性格を帯びた物語になる予定でした(『電脳コイル』自体が純粋なScience Fictionと言えるので、僕の言うSocial Fictionと合わせて、2つの意味を持ったSFになるところでした)。

       話を元に戻すと、「どんなSF小説を書いてるの?」と訊ねられた時には、何とかこのようなことを相手に伝えたいと思ってるんですね。しかし、大抵の場合は通じません。相手がこういった作品に触れたことがない限り、こちらが説明してもピンときてもらえないんですよね。

       なんとか短い言葉でこういったことが伝えられたらなあと思いつつ、本日はこれにて切り上げます。

      川島の本棚 | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |

      スポンサーサイト

      2015.02.13 Friday 22:47
      0
        - | - | - | - | - |

        コメント

        どうも、川島です。

        こちらではお久しぶりです、此花さん。今回僕の言いたかった部分を端的にまとめてくださり、ありがとうございます。自分の頭の中でごちゃごちゃしていたものが、スッキリまとまったような気がします。

        おっしゃる通りで、現実と小説の違う部分というところを考え込むのは非常に楽しい作業だと思います。1つのネタで、空想の世界をどこまでも広げられる時もありますからね。僕は『電脳コイル』の二次創作ばかりをしていましたが、その執筆の中から生まれたオリジナルのアイデアというところは、自作に反映していきたいなと考えています。

        おそらく僕の初めての自作は、『電脳コイル』とは一見離れたような世界観にして、根底に通じるところがあるようなものになると思います。

        | 川島奏 | 2012/04/22 6:30 PM |
        こちらでは本当に久しぶりになってしまいました、此花です。

        川島さんのSF論、興味深く読ませていただきました。
        なるほど"Social Fiction"ですか、言い得て妙だと思います。

        個人的には『図書館戦争』はぎりぎりSFの範疇だなと思っていましたが、『ボトルネック』は意外でした。が、"Social Fiction"という定義なら十分に当てはまりますね。

        川島さんのお考えに従うと、"SF"とは、現実世界の延長で、どこか一部だけが決定的に違う異世界を描いた作品と言いましょうか。藤子不二雄が自作について語った"すこし・ふしぎ"と近いかもしれません。

        私自身『電脳コイル』の二次創作を書いていて思ったことですが、現実と小説の違う部分、その違うの中身をいろいろ考えながら作中設定を決めていくのって、小さな世界を作っていくようで楽しいですよね。
        逆に設定がしっかり定まっていると、『電脳コイル』にしても『図書館戦争』『ボトルネック』にしても、世界観に深みが増す気がします。

        そんなこんなで浅薄な自作を振り返って反省しつつ、川島さんの自作に期待! というところで本日は失礼します。
        | 此花耀文 | 2012/04/18 1:32 AM |

        コメントする










        この記事のトラックバックURL

        http://spring-coil.jugem.jp/trackback/123

        トラックバック