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    川島の本棚 第10回 『ビブリア古書堂の事件手帖』

    2012.01.22 Sunday 20:37
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        今年の大河である『平清盛』は、低調な視聴率と相反して個人的にはすごく好印象な出だしです。言葉遣い等でネットでは議論が起こっていたり、兵庫県知事が「画面が汚いぞ」と批判したりと、ドラマに関係のないところで話題が振りまかれている気はしますが、それは僕みたいな人間からするとピントがずれているように思えるんですよね。

       大河は人間ドラマです。フィクションを生み出す人の立場からすると、史実も虚構として語り継がれているものも、そのドラマを引き立たせる演出材料になるものです。もちろん史実をなぞるのが鉄則ですが、時代考証に難癖をつけるのはドラマの楽しみ方として違う気がします。

       そして、大河では仕方のないことですが、制作する側の言語自主規制が物語を味気なくさせているというのも実感します。まさに『図書館戦争』でも扱われていたテーマです。

       依って立つ思想もなく、フィクションはフィクションだと割り切れる僕としては、こうした風潮に辟易することはままあります。だからこそ、清盛は白河法皇の落胤という一説を設定にぶち込んできた今回の大河には非常に期待感が高まっています。この設定こそが、物語に明快さと面白味をもたらしてくれて、僕のような視聴者を惹き付けているのではないでしょうか。

       僕は清盛の生きた時代の歴史には疎いですが、これは単純に人間ドラマとして心底楽しめそうな気がしています。

       あまりこれまで大河に関しては語ったことはないですが、『龍馬伝』以降は僕も割と見るようになりました。去年の『江』もなんだかんだで見てましたし。おそらく、去年のあの少女漫画風戦国時代大河があったからこそ、シビアな雰囲気を醸す今年の『平清盛』への期待値も高まっているんでしょうね。もちろん、これは好みの問題です。

       では、本題に入ります。前回の記事でも書いた通り、しばらくは新作の創作日記をとりやめて「川島の本棚」を中心にまわしていこうと考えています。

       それも今回で10回目。今日ご紹介するのは、今巷でブームを起こしている『ビブリア古書堂の事件手帖』シリーズです。














       









       三上延 『ビブリア古書堂の事件手帖』 メディアワークス文庫


       こちらの本は、はじめ緩やかに話題になっていたのが「王様のブランチ」で紹介されて、一気に人気が爆発したようです。現在2巻まで発売されています。では内容を簡単にご紹介します。

       鎌倉の片隅でひっそりと営業している古本屋「ビブリア古書堂」。そこの店主は古本屋のイメージに合わない若くきれいな女性だ。残念なのは、初対面の人とは口もきけない人見知り。接客業を営む者として心配になる女性だった。
       だが、古書の知識は並大抵ではない。人に対してと真逆に、本には人一倍の情熱を燃やす彼女のもとには、いわくつきの古書が持ち込まれることも。彼女は古書にまつわる謎と秘密を、まるで見てきたかのように解き明かしていく。
       これは”古書と秘密"の物語。

       と、本の裏表紙のあらすじを写してみました。読んでいただくとわかると思いますが、これは古本屋さんに持ち込まれた本に秘められた謎や過去を、きれいでありながら人見知りをしてしまう女性が解き明かすというミステリーです。「日常の謎」や人の死なないミステリーとも呼ばれるジャンルのものですね。僕は米澤穂信氏の<古典部シリーズ>などにハマったクチですから、こういうのは結構好きです。

       大筋のストーリーはあるのですが、そちらはゆっくり進んでいくようで、基本的にはオムニバス形式で単発のエピソードがいくつか入っているという形になります。これを僕は『名探偵コナン』スタイルと呼んでいます。

       この物語の魅力は、本に関するうんちくが余すことなく盛り込まれていることでしょう。本に詳しくない人でも思わず「へえ」と言ってしまうような話がいくつも出てきます。古本屋に通うような人には、その点はもっと楽しめるのではないでしょうか。

       また、それぞれのエピソードも、謎解きの部分で腑に落ちない点も残らず、ミステリーとしてもスッキリまとまっている気がします。どのエピソードにしても、本にまつわる人間ドラマを解き明かしていく形で、心温まるような話も多いのがいいですね。

       そして何より、この探偵役の篠川栞子さんが素敵なんです。物語の主人公は、就職に失敗してひょんなことから「ビブリア古書堂」で働くことになった男子で、彼の一人称視点で話は進みます。その彼の目を通して描かれる栞子さんが、いわゆる萌えキャラとしていい味を出しているんです。

       この「川島の本棚」も長いことやってますが、初めて萌えキャラという要素に触れることとなりました。僕はラノベを読まないので(このシリーズはラノベになるのか?)、あまり「萌え」について意識したことがなかったんですが、この栞子さんで「これが萌えか!」と理解したぐらいです。

       萌えのツボは人それぞれだと思いますが、栞子さんの場合は容姿と性格のギャップにまず惹かれます。きれいなのに人見知りっていうところ。そして今度は性格と本質のギャップにやられます。普段は人の目を見て話すこともできないのに、本のこととなると目をキラキラさせて語り出すところ。

       女性にはなかなか理解できないかもしれませんが、男性なら共感してくださる人も多いはず。シリーズ2冊でミリオンセラーを記録しているのは、きっとこうした理由もあるからだと思います。これからどんどんシリーズが刊行されるのが楽しみです。

       小難しい本や小説を読んだ後のアクセントにはぴったりのこの物語。皆さんも是非手に取って、休日の午後に優雅に紅茶をすすりながら、本のミステリーを楽しんでみてください。

       






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