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    『春』の反省点 その1 「電脳犯罪対策係」って

    2011.10.02 Sunday 23:24
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        『春』は既に僕の中では過去のことで、本当は序盤で滅茶苦茶だった文章の体裁なども整えないといけないのですが、もう悪い見本としてそのまま放置しておこうかなと思っています。最近は恥ずかしくて読み返す気も起こらないのですが、しかしそこから反省点をあげて、次回作につなげていかなければいけません。

       ということで、この企画では『春』において滅茶苦茶だった内容を取り上げ、大いに反省したいと思います。

       で、まず思い浮かんだのが「電脳犯罪対策係」という組織の設定の曖昧さです。

       最近、僕は誉田哲也さんの警察小説(主に姫川玲子シリーズ)などを読んだりしているのですが、やはり警察小説だけあってその実態がすごく細かく描かれているんですよね。それが結構思っていたのとは違っていて、大いに参考になります。(ちなみに、シリーズ第一作目『ストロベリーナイト』はドラマ化もされましたが、本シリーズの中では色々な意味で最も刺激的な内容です。残酷描写もありますが、一読の価値はあると思います。誰しもの内面に潜む異常性というテーマに、本当にぞくりとさせられるところがあります)。

       この小説の影響で、警察の役職や階級の相関関係などもきちんと考えるようになったのですが、それに当てはめると、電脳犯罪対策係の係長である竹下直樹はあり得ない出世をしていることに気付きました。

       彼のいる大黒市警は規模としては署にあたりますが、署内の何らかの課に属する係長になる場合、階級は警部補であることが必要のようです。さて、警察官は『踊る大捜査線』などでもよく耳にする「キャリア」と「ノンキャリア」に分けられます。彼の場合は元々警察官を目指していなかったという設定上「ノンキャリア」とするしかありませんが、その場合警部補になれるのは最短でも26歳かららしいんですよね。彼は作中では24歳としていたので、絶対に警部補にはなれません。

       ほんとに深く考えず適当に設定したらこうなってしまいました。未来の話なのでその時警察の昇進形態が変わっているかもしれないという逃げ道があるのですが、設定的にムリがあったことはここでお詫び致します。

       しかし自分がもっと反省しているのは、「電脳犯罪対策係」が一体何のために設立されたのかがまったく不明のまま終わってしまったところです。

       一応ダイチのメール事件でもあったように、振り込め詐欺などのインターネットを利用した犯罪全般を扱う部署としましたが、それが直樹のよって創設されたとは、じゃあそれまでの警察は一体何をしていたんや、という話になってきます。

       で、実際に警視庁には「サイバー犯罪対策課」という部署が存在します。今年4月に「サイバー犯罪対策総合センター」から格上げされたらしいのですが、まあこれで直樹創設説は成り立たなくなりました。しかも名前もちょっとカッコいいです。意味は一緒ですけど。

       この「サイバー犯罪対策課」の主な設立目的は、インターネット上の有害情報取締強化ということらしいですが、では最近流行の企業への不正アクセスなどはどの部署が担当するんでしょうね。じきに「サイバー犯罪対策課」がそうしたハッカーを追うようになるのでしょうか。実際日本でハッカーが逮捕されるなんてことが起こればの話ですが。

       さて、「電脳犯罪対策係」に話を戻しますと、規模が「係」なのに執筆中はどこの課に属するのかさえ考えていませんでした。自信がなかったので避けて通っていたんですけどね。最近調べた結果をふまえると、大黒警察署生活安全課電脳犯罪対策係でよさそうです。

       しかしながら、インターネット上の全犯罪を取り扱うとするには非常に頼りない部署です。なにせ係長が警部補にもなれない24歳の若造ですからね。そもそもインターネット上に管轄区域の線引きなんてありませんから、本来なら県警に1つ置いておけば十分事足りる部署と言うこともできるのですが。

       だからこれを今になって無理矢理定義し直すとすれば、やはり電脳都市である大黒市に設置されたというところに意味を見いだすしかありません。"メガネ"を使った空間の犯罪を取り締まることを目的として設立されたとすれば、一応話の筋としては通ります。

       例えば、玉子は空間管理室にいて、金魚イリーガルで空間を滅茶苦茶にしたダイチを逮捕しようとしましたよね。しかし、本来なら民間人の玉子に逮捕権はありません。これが現行犯なら誰にでも逮捕権は発生するのですが、あの時のダイチを現行犯逮捕できるかといえば、なんか微妙な気がします。

       「電脳犯罪対策係」は、そうやってイリーガルなどを使って空間を破壊した犯人を逮捕するのが主任務とすれば、まあまあ存在意義があるような気がします。つまり「電脳犯罪対策係」設立には、空間破壊者を直接自分たちの手では捕まえられないメガマスの思惑が絡んでいた、という設定が成り立ちます。実際に作中で直樹は対策係がメガマスの手駒にされていることを自覚していましたし、久美子にも警察に干渉しようとするメガマスへの反発心もありました。すべては、この裏設定にて説明がつけられると思います。ほとんど後づけですけどね。

       さて、問題はこれからです。『春』の終わりにてメガマスは崩壊しました。そして、大黒市や金沢市で連続して起こった連続空間事故は、すべてメガマスのプロジェクトが原因となっていました。一連の事件を通しての反省と、創設時の黒幕であるメガマスが消滅したという事実。「電脳犯罪対策係」は、価値が見直され、大きく規模が拡大される機会を得ました。それはエピローグにもあった通りです。

       次回作の一方の主役、沢口大地は、そうして飛躍を遂げた「電脳犯罪対策課」に飛び込むことになります。ところが、その「電脳犯罪対策課」の内部には不穏な動きがあって......

       それでは本日はこのあたりで締めます。

       












       

       
      『電脳コイル 春』について | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |

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